短編

□I Love youをきかせて
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何て言うか、ここまで差があると絶対嫌われてると思う。



I Love youをきかせて



いつもふざけて言う「好き」に本気をちょっと混ぜて言った。
答えはこう。
「は?大丈夫ですか?」
見事玉砕。
普段から冗談ばっかり言っているからバチが当たったんだ。
ただ気に入らないのは、隣にいた直樹も続けて
「僕も雄兄大好きだよ」
なんて爽やかな笑顔で微笑めば
「俺もノック愛してんよv」
なんて言うもんだから、もうボキ大ショック!!
なんでだっ?!
何がいけなかったんだ?!爽やかさか?!
体格か?!
なんて落ち込んでいた。

収録後
次の現場がある直樹はすぐさま楽屋を後にする。
ボキはと言えばまだダメージを引きずっていて…
「つーのさん、どうしたんですか?」
君のせいだよ、君の。
情けないことにボキの心の中はヤキモチでいっぱい。
「つーのさん?」
もう一度呼ばれる。
もうしつこいな、ボキは今ハートブレイク中なの。
なんて考えてたら、背中がずっしり重くなった。
もちろんこの部屋にはボキと雄輔しかいないから、乗っかっているのは雄輔。
「なんで返事してくらないんスかぁ」
もぅ、と唇を尖らせた。
「雄ちゃんはボキのこと嫌いなんだ」
「なに言ってんスか」
「だってボキに対して冷たくない?」
恨めしそうに雄ちゃんを見ると本人はきょとんとしていた。
「もしかして、さっきの気にしてる?」
「ボキより直樹の方が好きなんでしょ?」
心ん中では女々しいなって思ってるけど、今日の衝撃は半端じゃないんだもん。
捻くれてしまったボキを見て雄ちゃんは笑った、あの眩しい笑顔で。
「確かに直樹は好きだよ、かわいい弟だかんね。でもつーのさんも好きだよ?」
「じゃぁ、なんであの時ボキだけスルーした訳さ?」
「だって・・・」
ボキの肩口に顔を埋めながら照れてこう言う。
「あん時のつーのさん、LikeじゃなくてLoveの好き使ったでしょ?わかってんだから・・・んなの、皆の前で言わないでよ・・・」
あらびっくり。
なーんだ、ちゃんと伝わってんじゃん。
「雄ちゃん、じゃ付き合っちゃおうか」
ここまできたら返事はひとつでしょ。
「・・・・宜しくお願いします」
また太陽みたいな笑顔が咲いた。

「つーのさん、俺も大好きです」
やっと聞けた君のI Love you


end

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