Long
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がららっ
「依頼したいんですけどー」
「「はいはい、お茶いれますねー」」
どうも、滸です。
今日は三編みをしたチャイナ男がやってきました。
「で、依頼内容はー?」
「どちらか一人に頼みたいんだケド」
「どちらでも結構ですよ」
「なにを頼むかは後で言うとして…
そうだな、君がいいカナ?」
ゆっくりと指を指した先には僕がいました。
「はい、では内容を」
「君には殺人兵器になってもらうヨ」
「「は?」」
「で、そこの眼帯君は鬼兵隊のとこで働いてもらうヨ」
「どういうことですかー?」
場に似合わない間延びした炯の声が部屋に響いた。
僕への依頼が殺人兵器になれ?いやいや意味わかんないし。
今日はボケの日だったんだけど変更かな…
「依頼受けてくれないなら…」
「向かいの万屋行ってくださいー」
「危険な仕事は向こうのが成功率高いんで」
「殺しちゃうゾ♪」
「「軽く殺すとか言ってんじゃねぇよォォォ!」」
人の命をなんだと思ってんだこの糸目野郎!
ちょっと可愛い顔してるからって調子乗んなー!
ハリセンを振り回してる僕に対して叫びながら爆弾を投げてる炯。こないだ家直したばっかだよ?
まぁこれでどっか行くだろう
その考えが甘かったらしい僕達は目にも留まらぬ速さで動くそいつにまるでウサギのように扱われいつの間にか床に伏していた。
「じゃぁ君にはついて来てもらうネ」
「滸を、返せぇっ…!」
「まだ動けるの?対したチビだヨ」
「おまっ、なにして、やめろォォォォ!」
「うぐっ」
「アハハハハハハ!」
担がれた僕を取り返そうとフラフラになって立ち上がる炯を指一本で倒して傷口を踏み付けるそいつ。
狂ったように笑いながらゲシゲシと踏んで飽きたのかそのまま崩壊した店から出ようとする。
「滸っ…絶対に助けっ、るぅっ!」
「炯!」
こんな時でも間延びした喋り方をするのかお前は。
店を出ても平和な歌舞伎町が広がっているだけで僕らの異変に気付く人はいないようだ。
使えないな、坂田さん。
(やっぱハリセンとピコハンじゃ本番役に立たないな…)(あ、左目に血が…視界が赤いよー)