Long

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ル「いや〜、うんめぇ〜♪」

ナ「なに寛いでんのよ、あんたは!」


ばきっ


ル「うへっ」



スポットを抜けたと思えばそこは黄泉の国でした〜
なんてシャレになんないことになっちゃいました



ゾ「ここがお前の家か」

く「うん

死んだ後、生まれ変わるまでの間この国にお世話になるんだ
向こうの世界となんら変わりない世界
普通に生活出来るし、世界一の剣豪にだってなれる」



ニヤッと笑うくいなは一本の日本刀を掲げて見せる
ゾロも驚きはしたがすぐに返すように妖しく笑い、



ゾ「お手柔らかにな」



そう言って二人で家から出て行ってしまった


炯「……………」




初めて来た場所、いや、世界
黄泉の国という程だからどこかへんてこなんだろうと思ってた

けれど自分達のいる生きている世界となんら変わりなく日が昇り、沈んで夜が明ける


ただ違うのは生きているか、死んでいるか――




ウ「…ちょっと俺、散歩行ってくるわ」

ナ「わ、私も!」


チ「ウソップ、ナミ…ッ!」

ル「止めんな、チョッパー」

チ「…でも!」

ル「母ちゃんに会いたいんだろうな」

チ「…うん」

ル「お前はいいのか?
ドクターに会わなくて」

チ「俺…俺、行ってくる!」



「「「……………。」」」



ロ「…船長さん」

ル「あぁ、行ってこいよ」

ロ「ありがとう」




次々に家から出ていくクルー達

誰もが大切な人を失い
誰もがその人に会いたくて
会える確率など低いのに橙色の空の下に散らばっていく




大切な人、家族、友達

僕達には今は誰もいないんだ――




ル「滸!」

滸「え、あ、はい!」

ル「あっちに面白そうなオッサンがいる!」

滸「どこどこ!?」

ル「あっち!行こうぜ!」




取り残されたサンジと炯と基

炯はゾロが家から出て行った時点で固まっている



炯「…サンジは?」

サ「ん?」

炯「サンジは行かなくていいの?」

サ「…俺が無くしたのは俺を馬鹿にした船乗りだけだからな」

炯「そっか。」




少し重苦しい空気が流れる。
いつもは基がなんとかするのにさっきから一度も喋らない基はというと…



基「……ぐぅ」



寝ていた。




サ「よくこの状況で寝れるな、基ちゃんは」

炯「寝ないと身長伸びないからね」



苦笑いしながら二人は今晩泊まる宿を探しに町に出て行ったのであった。



「滸、炯…ちゃんと笑いなよ…」


自分は今の状況で人を笑わせれないの

せめてあの2人には笑っていてほしい…


臆病で、ごめんなさい―――




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