Long

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お母さん達はね産まれてすぐに引き離された双子なの

初めて出会った時はわからなかったけど顔が凄く似ているでしょ?

だからお互いを調べたの


出身、学歴、誕生日、血液型


学歴以外は全部同じでそれぞれ違う病院で遺伝子の検査をしてもらったの


――全く同じ遺伝子だった


でもお互い大好きだから知らないフリして結婚して貴女を産んだの




貴方はタブーの子






「けど愛してるわ」












滸「っ」



先程から同じ台詞が頭の中を這いずり回る



僕はタブーの子
両親は酷く怖いぐらいに愛し合っていた
そして自分も愛されていた


僕は産まれてきちゃいけなかった?




ル「滸ー!」

滸「ルフィ…」

ル「…泣きそうな顔してるぞ?」

滸「"生きていることが罪"」

ル「ん?」

滸「僕は生きてちゃ」


――だめなのかなあ…?


ル「なに言ってんだ?おめぇ


人は生きるために産まれて来たんだろ?
どんなに人に嫌われても苦しくても
生きてなきゃなにも始まんねぇし

生きてるからお前は暖かいだろ」


滸「生きてるから、暖かい…」







「滸ちゃんってあったかぁい!」
「私達体温低いからさぁ…」

「でも手が冷たい人って心が暖かいっていうよ?」

「「じゃあ手が暖かい人は
心も体も暖かいってことだね!」」

「?」

「ちゃんと生きてるってことだよ!」





滸「ルフィ、ありがとう!」

ル「?なにがだ?」

滸「僕、大切なこと忘れてた!」




僕は反省なんかしない
生きていることはそれだけで

素晴らしいことなんだ
















炯「タッ君は失敗作…」


うちは成功作


炯「うちは人間じゃない」


タッ君は人間


炯「うちは


―――ヒトゲノム総合結集体」




いつからか白衣を着ている里親をおかしいと思った


ある日同じ施設の子が学校を休んだ日に調子が悪くて早退した時があった

施設に帰って来たことをウォーカー達に伝えようと里親のいる部屋に向かえば叫び声が聞こえてきた



「いやだぁあぁぁぁあ!」

「おい、取り押さえろ」



一人は施設の学校を休んでいる子の声だった


もう一人は

「ウォーカー、さん?」

―――ウォーカーの声だった



ドアを音を立てずにほんの少し開けて中を覗けば白衣を着た人がいっぱいだった



「炯のような成功作ならこんなことせずに済むのに」
「やはり百に一度しか成功はしないものだな


―――"ヒトゲノム総合結集体"は」



うちは人間じゃ、ない?









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