Long
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ガタ、ガタタタッ
「立て付け悪い玄関だね」
「こうすれば直るアル」
ドガッ
「それいつか壊れるよ?」
ドアを蹴った神楽に一言。
これは銀さんに引き取られた滸のちょっとしたお話
「お邪魔しまーす」
「やっと来たか滸
さぁ俺の胸に飛び込んでおいで!」
「誰が行くか、この天パ野郎」
両手を広げる銀さんの頭をスッパーンと小気味良いぐらいに叩いてソファに座る
「あ、雨降りそう」
ちら、と見えた窓の外はかなり曇っていて雷も鳴っている
「おい新八ー、洗濯物がやべぇぞ」
「銀さんもちょっとは動こうとしてくださいよ」
「眼鏡…まるで家政婦…」
「違うヨ。新八は眼鏡ヨ」
「なるほど、人間ではなかったか」
「狽んたら言いたい放題言ってんじゃねぇよ!」
洗濯物を急いで取り入れせっせと畳む新八を見てさすがに可哀相と思ったのか滸が手伝いにかかる
「眼鏡さん手伝うよ」
「眼鏡じゃねぇよ、でも助かります」
「こうして見ると俺ら新婚みたいだなぁ」
銀さんから見て新八がいるであろう場所は手の平で見えないようにされ滸をじぃーっと見つめる銀さん
「これでも喰らえ!」
ピコーン♪
「うわっ、何気に痛いなそれ!」
ピコハンで撃退。どこから出した?
ピカッ
「(ビクッ)」
ゴロゴロゴロゴロ…
「(ビクビクッ)」
「……………。」
空が光ったり雷が鳴る度に小さく体をびくつかせる滸に気付いたのは銀さんだけで何も言わずにとりあえず新八と神楽を部屋から出した
「(やべぇ、可愛い……)」
(雷コワイ)(あ、またビクついてる)