ルパン三世

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「それでお前、金が欲しくてその大会に出ようって言うのか」




ルパンが尋ねてもマリオは唇を噛んだだけで答えなかった。




「どうやら、別の目当てがあるようだな」

「お願い、ルパン、次元、お姉さん達、ボクにピストルを教えて」

「…マリオ、これをyouにあげる」

「あの…これは?」




渡したのは小さなウォークマンだった。
唇に人差し指を添えて滸が笑う。どうやら今は教えるつもりはないらしい。
それを見てルパンの目が冷たくなった。




「消えな、ボウズ。俺達はお前に関わってる暇はないんだ」

「わかったよ。じゃあこれから警察に行く。二人の本当の狙いは宝物殿なんでしょ。ボク聞いちゃったんだ」

「そうかあ。
そうとあっちゃ仕方がない」




ルパンはワルサーを抜いた。
銃口をマリオの額に向ければマリオの目が広がった。




「可哀相だが口を塞がせてもらうぜ。
仕事の邪魔をする奴は許さねえ」

「おい、ルパン――」

「ルパン、貴方バカだとは思っていましたがそこまでバカだったとは思いませんでした!」

「Me too」




マリオは真っ青だった。
それに対し三人が抗議してもルパンのワルサーはマリオの額と向かい合ったままだった。




「三つ数えるうちに消えねえと――」




その言葉が終わらないうちに、マリオはアパートの部屋を飛び出して行った。

ポン、ルパンの手に握られたワルサーの銃口が爆ぜた。中からは万国旗が飛び出した。
つまり、オモチャの銃だったのだ。




「ホッホッホ」

「びっくりしたぜ。
本気でガキを撃つのかと思った」

「…Youの行動はheartに悪いよ…」

「バカには変わりありませんよ。
何しろ子供を怖がらせたのですから」

「まあまあ、滸、落ち着けよ。
今ここであいつに射撃を教えてやってもあいつが危険に巻き込まれるだけだぜ?」

「それは、確かにそうですが…」

「バカと言ったこと、お仕置きしなくちゃなあ?」

「え」

「俺もまだプレゼントなんかもらってないのにあいつにはあげてたし?」

「嫉妬は醜いぞ、ルパン」




次元が口を挟んでも反応しない辺り、相当嫉妬しているらしい。




「あ、あれはっ…ぎゃっ」




小さく悲鳴を上げる滸を抱き上げて別室に移っていくルパンを見て相棒の次元は溜息しか出なかった。




「はぁ、あいつはただ抱きたいだけだろうが」

「じ、次元!滸が、滸が殺されちゃう!」

「殺されやしねえよ、ただ鳴くだけさ」

「滸ー!Don't cryぃぃ!」




初(うぶ)過ぎる炯(実際何年も一緒にいるがキスまでしか進んでいない)に苦笑いしつつもアパートから出る準備を始めた次元であった。







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