Ryo’s Room

□自殺志願
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眠りから覚めて少し目を開ける。
突き刺さる様な太陽の光に、僕は目を閉じる。
このままじゃ駄目だって思って、気力で目を開けた。
だけどやっぱり眩しくて目をきつく閉じた。

”ああ寒いなあ”って思いながら僕は道を歩く。
無意味そうな場所へ向かって、決められた服を着て。
寒さで眠気も吹き飛んだ。肌が冷たい。

幸せってのはどこにある?
些細な日常にあるとあの人は、彼らは―――皆そう言う。
僕はそうは思えない。
何故かって?
日々は無意味に見えるから。

話聞いてる振りして適当に笑顔浮かべて、
相槌打って家に帰って美味しくも無い料理を食べる。
塾に行って家へ帰って宿題やってベッドへ入る。
眠る時間だけが僕の幸せだ。

こんな日々のどこに幸せがあるのだろう。
僕の人生ってのは恵まれてるのか?
そんな訳ない。
何で日常が幸せなのか聞きたいものだ。

この世界から逃れたい。
”永遠に眠り続けたい”と僕は願う。
世界を壊すか、自分が逃げるか。
どちらを選ぼう?
僕は簡単な方を選びたい。


手の平の上に転がるのは、真っ白な錠剤。
本当に雪みたいに白くて幸せな気分だ。
百五十錠口に入れて噛み砕いたら、苦かった。
そのまま水で奥に流し込む。
それから眠くなってベッドに入る。
そして僕は、目を閉じた。
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