Ryo’s Room
□赤い服の女
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凍える様に寒く、月が白い光を放つ夜でした。
元々霊感があるらしい私は、友達に誘われて一緒にある橋へ行きました。
心霊スポットと言う訳ではありません。ただ不気味なだけの場所です。
「ねぇ、玲奈って霊とか見えるんでしょ?何かいない?」
そう友達の真紀に言われ、私が前を見ると、確かにいました。
しかし、その人は真っ赤なワンピースを着た女性でした。
「人だね。幽霊じゃないよ」
だから帰ろう、と私が言おうとした時です。
「…玲奈、どこに人がいるの?」
真紀がそう言ったんです。
「ほら、あそこにいるでしょ」
私は彼女を指差しましたが、真紀は首を傾げるだけです。
もう一人の友達の美紗も、「どこ?」と言うばかり。
「ほら!あそこ、あそこに立ってる人!」
私は大声で言いましたが、「誰もいないじゃん!」と言われてしまいました。
私は、まさかあの人が幽霊なの?と思いました。
丁度その時、その女の人が身を投げてしまったのです。
「あっ!」と私は声を上げました。三人が一斉に私を見ます。
「どうしたの?玲奈」
「女の人!女の人が飛び降りたの!」
「女の人?始めからいなかったわよ」
本当だってば、と言おうとした時、美紗が「渡ってみようよ」と言いました。
正直怖かったのですが、私達は黙ってついていく事にしました。