駄文置き場

□軍師の午睡
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昔の夢を見たんだ。

俺の家に、実際にあった出来事を…夢に見た。


俺は、ルドン高原の入り口近くにある、小さな村の酒屋に産まれた。

親父とお袋、兄貴一人と姉貴が二人、弟が一人五人兄弟の真ん中だった。

酒屋はそれなりに繁盛しててな…裕福とは言えなかったが、食うのに困る生活はしてなかった…



その日、村は良い天気だった。その時8つだった俺は、店に出すワインを蔵から持ってくるように言われて、一人で蔵に入った。


蔵は店から少し離れた場所にある。冷たくて、しんとして、考え事をするのに丁度よくてな…俺はよく、店番さぼってここでワインや地酒の銘柄を見ながら、想像を膨らませて遊んだ。


ただ、その日は急ぎの注文の商品を頼まれてたんで、蔵にはあまり長居できなくて、目的のワインを持った俺はそのまま蔵を出て、店に向かって歩いてた。
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