駄文置き場

□ジルフェ〜黒〜
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「妹か、娘みたいだって」

素っ気なく呟いたそれは、声変わりする前の少年のようで、同年代の娘のそれに比べてやや低い。


快楽を訴える時には驚くほど可愛らしくなるくせに、常の彼女は尊大で、どちらかと言えば男のような言い方をする。
男である自分の方が、余程丁寧な言葉を使うくらいだ。



「ずっと一緒に居すぎたせいかな…それとも、私の立場が問題なのかな」


小娘のくせに、妙に薄紅い唇を微笑ませると、年齢にそぐわない艶めかしさが匂い立つ。


意思の弱い人間なら、眩惑の術にかけられたように彼女を求めるだろう。



「別にさ…」


漆塗りの、最上級の机に肘を付いて、行き場のない脚をゆらゆらと揺らす。


「だからどうだってわけじゃないんだけどさ…」


別に、彼らに恋い焦がれていたわけではない。

思いの丈を吐きだして、拒絶されたわけでもない。



「なんだろうね…もやもやするよ…」


少女は、鈍く光る銀の瞳を、わずかに細めて唇を噛んだ。
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