駄文置き場

□軍師の午睡
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その日、俺は珍しく居眠りをした。


居眠りと言ったって、勤務中ではなく、昼食の後の一番眠くなる時間、休憩中の間のことではあったが、普段あまり睡眠を必要としない俺には珍しいことだった。



「また、その夢見が悪くてな」


夕方、大学の資料室で調べ物をしていると、ちょうど本を返しに来たアリアと一緒になった。

アリアは遊牧民ノーマッドの娘で、族長アルタンの妹だ。
中々に勉強家の娘で、俺の研究室にもちょくちょく顔を出す。

だからといって、恋人だとか、男女の関係であるとかは全くなく、強いて言うなら教師と教え子の関係というのがしっくりくるだろうか。


アリアは神妙な顔で一つ頷くと


「いや、如何に化け物じみた策略で相手を翻弄する軍師殿も人の子…昼寝くらいなさったとておかしくはないぞ」


と、擁護しているのか馬鹿にしているのか解らないことを言った。
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