更に駄文な書庫

□銀月愛憐
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*銀月愛憐*


その夜は、まるで解放を祝うかのような、晴れやかな星空だった。


10年振りのアバロン宮殿は、多少趣味が悪くなっていたものの、戦士逹にとって懐かしい我が家に帰った安堵感を存分に与えてくれた。


城下のお祭り騒ぎを子守唄代わりに、疲れきった戦士逹は久々の安眠を得た。


それは、皇太后や、皇帝にしても同じことで、月が登ったかどうかのうちに、彼女らは同じ床で眠りについた。



ずいぶん月が高くなって、お祭り騒ぎが終わりを迎える頃、起きているのはその日の夜警を買って出た、砂漠の戦士シャールカーンだけであると思われた。
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