駄文置き場
□いつわりの女神
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魔術士団 第8班班長
それが、当時の彼女の肩書だった。
現在は23ある班は、個人の能力別に分けられる。
番号が少ないほど、個々の能力が高く、重要な任務につかされる。
8班てのは…まあ微妙な位置付けだ。
けして能力は低くないが、かといって第一線で活躍できる立場でもない。
俺は意外だった。
彼女のもつ輝きは、そんな半端なものには思えなかった。
そう思った。
彼女は、燃えるような紅い髪を揺らして俺に片手を差し出した。
「宜しくお願いいたします。タウラス殿」
おずおずと差し出した俺の手を、彼女はしっかりと握った。