☆Pandora Hearts☆

□想いの果て
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「別れて欲しいんだ」
 その時の衝撃は、今でも忘れられない………。



【想いの果て】



 主であり、恋人でもある彼の言葉にギルバートは驚きを隠せなかった。傍に寄り添い、微笑みあった幸せな時間はたった数時間前のことなのに……、何故そんな言葉が出てくるのか。
 とてもじゃないが信じられなかった。

「オっ、オズ……ッ?
 うそ…だろう……?」

 ギルバートはオズの肩を掴むと加減も忘れて揺さぶった。十も年齢が離れた今では、オズの華奢な身体などギルバートにさえ簡単に揺さぶられる。
 それにも関わらず、色のない瞳でオズは続ける。不気味なまでの冷たさを感じる目だ。

「ギル、もう一度言うよ」
「待…っ、待て!まってくれ!!」

 混乱しきった彼の制止の声など、今のオズに届くわけがない。




「俺と別れて欲しい」


 …………先程の言葉は幻聴ではなかったんだなと、遅まきに理解した。………否、理解するしかなかった。

 幻聴でも、彼が面白がってからかっているわけでもない。
 それは、……あの翡翠の瞳が物語っている。

 今更の説得で何もかも間に合うはずがないとわかった。
 そう………、わかってはいるのに…っ。
「いやだ……」
 頭とは正反対の言葉が口からこぼれおちた。
 別れなど……、受け入れられるはずなどない。

 ギルバートは気を落ち着かせ、まっすぐにオズの目をに向き合った。
 ここで怯えて逃げだすことなど出来はしない。
 たった一人、傍にいたい人がいるのだから。

「だめ。俺は別れたいんだ」
「嫌だ………っ、俺は…っ、別れたくない!!」

 繰り返される言葉を必死に掻き消そうと声を張る。

「お前の傍にいると…、その手を離さないと誓ったんだ!!
 お前のっ、オズの傍にいたいんだ!!」

 掴んだ手が彼の肩に大きく食い込む。オズは軽い痛みに眉をしかめると、暗く嗤った。

「一度は離した手だろ?もう一度繰り返すだけだって」

 そんなこと、耐えられるはずがないのに。

 ギルバートは悲しみに顔を歪め、俯いた。人形のようなに冷たい恋人の表情を見ていたくはなくて、あまりの衝撃に耐えられなくて……、ぐるぐると渦巻く感情を抑える術などなかった。

「あんな痛みは……っ、二度と御免だ!!
俺は……っ」

 彼がいない日々などギルバートには考えられない。傍にいない時でさえ、ギルバートの思考の大半を占めているのはオズなのだから。
 ギルバートがオズを想わない日など無いと言っても過言ではない。
 ………その想いが仇になると、誰がわかったろう。

「ねぇ、……ギル?
 理由が知りたいの?」

 妖しく光る翡翠の瞳に、感じたのは恐怖だった。
「……お」




「聞き分けのないのはいらないんだ」




 完全なる拒絶。
 つけ入る隙の無い微笑みは、まるで無邪気な天使のようだ。
救いの手を差し伸べようとしながら、その純粋さで相手の心を砕き割る。
 なのに、魅入られた心は醒めることはない。


 拒絶され、魅入られた、愛しい者への恋心…。
 終わることを知らない想いに、辿り着くべき岸辺はあるのだろうか……。











END





…………。
気付いたらBADENDっぽくなってた不思議ww
あぁ…、謎だwww
甘々になる予定が逆方向を突っ走ってました☆うわーーーーーーー。
一応話はこれだけですが、シリアス壊してギャグにした話を上げたいと思います♪
ギャグいいですよね、ギャグ!!


2010/04/02
 

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