★趣味の釜：探偵の碗
□保住 純一
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１：保住 純一
成「……なんでお前がいるんだよ」
光「ん？なんか呼ばれたから」
成「今回の司会、俺と日織だって聞いてたんだがな」
光「ああ、紹介する探偵を聞いて日織くん、自分より僕向きだって思ったから呼んだらしいよ？」
成「……お前は今回の探偵の事知ってんのか？正直俺知らされてねーんだよな」
光「うん、これだよ」
成「『しゃべくり探偵』……？何でこれがお前向きなんだ？」
光「『僕向き』って言うより『成瀬くんと僕向き』って聞いたよ？ほらタイトルの下良く見てよ」
成「……『ボケ・ホームズとツッコミ・ワトソンの冒険』……俺帰っていいか？」
光「それは困るなぁ。僕一人じゃ場がもたないよ」
成「くそっ……日織、後でシメてやる……」
光「今回紹介するのは、黒崎緑さんが生み出した異色の探偵、保住 純一（ほずみ じゅんいち）くんだよ！」
成「探偵だけじゃなくて、この小説自体が異色っぽいな」
光「うん、ぱっと見ただけで解ると思うけど、この小説、なんと地の文がないんだよね！」
成「全部会話かよ！それはそれでスゲーな」
光「その上登場人物が全員関西弁なんだ。だからこれを読むと、方言に詳しくなれるよ！」
成「待てーーっっ!!それ説明としちゃ何かおかしいぞ!?」
光「え？そうかな。僕は勉強になったけど」
成「初っ端からボケまくりだなお前……」
光「うーん……、じゃあ漫才を見てる気分になれる……かな？本を読むだけでお手軽だね！」
成「ちっがーーう!!お前これ、推理小説なんだぞ！?」
光「え？知ってるよ？」
成「……ず、頭痛がして来た……」
光「そうそう、推理の凄さも言っておかなきゃね！」
成「まず最初にそれを言えーーっっ!!!!優先順位がおかしいんだよお前はっっ!!」
光「さっきも言ったけど、地の文がないから、まるで自分もその場にいて、保住くんと会話しているような気分を味わえるよ！」
成「小説が苦手でも、すらすら読めそうだな。どれどれ……」
光「あ、読むの？」
成「お前だけに説明させるなんて無謀以外の何物でもないからな。予備知識を仕入れとく」
光「僕がその予備知識を教える為に呼ばれたんだけどなぁ……」
成「それこそ無謀だっつーの！」