日織
アルディーター
三笠イザーク
クレアヴィンス



あらすじ

雨に覆われた館で起きた哀しい事件から数カ月後。

主人公・一柳和は、前回知り合った売れない役者、日織の誘いでヨーロッパにいた。

日織の友人である若き伯爵、アルノルトに会って欲しいという。またしてもバイト先が災難に遭い、暇を持て余していた和は快諾し、日織と共にアルノルトの別荘に向かったのだ。

だが辿り着いてみるとその別荘は、地中に埋もれた「奈落の城」で、到着早々城にまつわる噂に怯える和。

それだけには納まらず、闇の中で響き渡る老人の声、誰もいないはずの場所から聞こえる足音、変化する絵画、ひとりでに倒れるワイン、和を監視する謎の視線など、次々と奇怪な現象が起きる。

その最中に失踪するアルノルトのSP、切り落とされる唯一の脱出手段の吊橋、閉じ込められてしまった12の男女。

そしてついに、日織までもが失踪し、悪夢のような見立て殺人が再び始まる。

城を徘徊する女は誰なのか。悪魔を召喚する儀式を行う何者かの影。そして、祈祷師ハユツクの真の目的は――。

『館』で助けてくれた日織はもういない。和は彼を救うため、そして犠牲者をこれ以上生み出さないために動き出す。

過去から生まれた亡霊を、和は解き放つことができるのか――推理は連鎖する!!




一柳 和

(イチヤナギ ナゴム)


主人公。
相変わらずのヘタレ。前作より拍車がかかった甘えっぷり。しかしそれを補って余りある推理力と優しい気質。

犯人まで助ける手腕は見事としか言いようがない……のだが、ここまで誉め言葉が似合わない探偵も珍しい。

やはり今回も男扱いされずに、小動物(主に猫)扱いなのが悲哀を誘う。だが前作で培われた経験(?)が効いたのか、今回はかなり能動的な面も見受けられる。

日織の失踪も原因にあるのだろうが、僅かな異変も見逃さず、ここぞという時には追求の手は緩めない場面を見ると、和がなんとなく男らしく見えるのが不思議。やっぱり泣くけど。




高遠 日織

(タカトオ ヒオリ)


前作から引き続き、和の相棒役(というより保護者)を務める。

相変わらずの着流しに独特の口調。だが前作より美男子度・過保護度・腹黒度・役者度・和の発言を流す度がUPしており、序盤で失踪するわりに存在感が大きい。

本作では、和を騙して恐怖の城に招待するという、和に縁を切られかねない行動にでているが、和自身は日織が失踪すると、途方に暮れて一人泣いたりもした。それでいいのか、和(21歳・男)。

しかしやはり和のことは大切に考えているようで、いざという時には和を助けに現れる頼もしい存在。

……あれ?失踪してたんじゃなかったっけ?(笑)




アルノルト・
グラーフ・
フォン・ルロイ


通称アル。
19歳の伯爵で、王子様的な容貌と微笑み、おっとりとしていながら芯が強い性格だが、天然で恐ろしい。

自分を脅迫する者に対して「後悔してもらおう」と笑っただけで、無関係の和を氷漬けにした上メイドを失神させ、更に親しい者の命を狙った犯人に、「命令」をして従わせた最凶貴族。

若くして爵位を継ぎ、様々な事を経験しているため貫禄は十分備わっている。

しかし過保護な執事に育てられたため、知識に多少の偏りがあり、カップ麺に驚いたり、ウーロンハイを知らなかったりする。

和に〇っちゃんイカをもらって食べる場面は一見の価値アリ。執事の眼が怖い。




ディートリヒ・
ケステン



通称ディーター。
こちらも「奈落」のみに登場のアルの執事(本物)。

アルの乳母同然で、アル命を公言する。「アル」と聞くとアルの自慢話を延々と始める困った人。

アルを追うパパラッチが話題に上ると、「あのような人種は、一人残らず地獄に堕ちればよろしいかと思われます」とさわやかな笑顔で言い、和を震え上がらせた。

実は〇〇で〇〇〇〇。「奈落」で1番可哀相な人…なのだが、和をからかって反応を楽しむあたり日織と同類の確信犯的なタヌキ。

日織が和一筋ならディーターはアル。彼にとって世界はアル中心。だが「奈落」の解明編で、彼はアルのために哀しい運命を辿ることになる。涙なしには語れない。




三笠 尉之

(ミカサ ヤスユキ)


「奈落」のみの登場人物。
私立探偵で外見通りの尖った性格…と見せかけて大の猫マニア。

宝物の招き猫を持ち歩き、猫に似た妖怪についてまで詳しく語る。

「奈落」で三笠をパートナー(推理の)に選ぶと、仕事中に集めた猫写真を夢中で眺める三笠の姿を見ることが出来る。

短気なので、和が泣いたり腰を抜かすたびに叱り飛ばすが、自分に怯える和を気遣かったりと面倒見はよく性格は悪くない。

観察眼が鋭い和に図星を刺され口をつぐむ場面もあったりする。

趣味は猫集会に参加すること。変人だが探偵としてのスキルはかなりのもので、元刑事だけあって死体を見ても冷静。

だが目付きが悪い、人当たりが悪い、口調も悪いの三拍子(自覚あり)なので、素質はあっても向いているかどうかは疑問。情報収集さえ難儀なのだから。

もしかして事あるごとに和をいじめるのは、自分にないものを生まれながらに持っているという嫉妬からか。




絹也(キヌヤ)・
イザーク・

フォン・ルロイ


通称ザック。
血の繋がりはないもののアルの従兄弟にあたる。

ワイルドな外見にそぐわないお坊ちゃまで、豆腐が自然の中で自動作成される食品だと思っていた等、アルに似通った部分が見受けられる。

それでもルロイ家の人間だけあり、貴族社会の醜さを理解しており、純粋さがありながら、ザックなりに大人の考えを持っていたりもする。

メイドのネリーを溺愛しており、会話の行き着く先が、必ず「ネリーの愛らしさ」になってしまうというおバカっぷりは、見ていてむしろ微笑ましいから不思議。

苦手なのは三笠。なぜなら自分を「絹也」と呼ぶから。それでも三笠のいじりに律義に反応してしまうという、和と同じ性質を持っているから、三笠にとっては良いおもちゃとなっている。

しかし三笠を嫌っていると思われるのは不本意なようで、和に話題を振られると、必死で言い訳をする場面を見ることが出来る。

信用出来ない者はとことん突き放すが、一度心を許した相手にはどこまでも甘くなる、それがザックの魅力である。
あと嘘が下手(笑)。




クラリッサ・
マイアー



通称クレア。
ヴィンスの姪であり、アルノルトの家庭教師兼主治医兼「奈落」のお色気担当を務める。

登場当初はしっかりもののお姉さんのイメージが強いが、パートナーになった途端、もしくは失踪後に発見の折、ずぼらな一面が露呈する。

しかし仕事に対する姿勢はプロらしく一本気。だが当面の悩みは、千絵子がアルノルトに余計な知識を与えることだというのだから、「アルよりもザックの家庭教師になったら?」と当然の疑問をプレイヤーに沸き上がらせる。

三笠とは仲が悪く、事あるごとに舌戦を繰り広げ、周囲の人間を困らせることもある。しかし、その様子はまるで悪ガキと姐御。喧嘩する程……というものか。

特筆すべきは、ヴィンスと血の繋がりがありながら、超現実的なこと。つまりヴィンスの霊好きは育ち方や血に由来するものではない(やはり某友人の影響か?)。

ともあれ、何かと暴走しがちな者達を、冷静に諌める事の出来る貴重な存在である。




ヴィンセント・
ギルモア


通称ヴィンス。
大学教授の欧州中世史研究家の英国紳士……のはずが、口から飛び出すのは怪奇現象や怪談の話ばかり。

何かが起きると「やはり霊は存在する」と叫ぶ困った人。

ワインが倒れたのも霊のせい、鍵盤ハーモニカが鳴ったのも霊のせい、絵画の赤ん坊が消えるのも霊のせい……その内郵便ポストが赤いのも、電信柱が高いのも霊のせいと言いそうなので怖い(むしろ言う?)。

だが常識外れという訳ではなく、彼なりの思考で到達した結論から霊の存在を主張しているので、ある意味余計にたちが悪いのかもしれない。

だが不思議と憎めない、純真な心と善良な性格を持っているので、周囲の者達からはそれなりに愛されている。

何かを発言するたびにザックにツッコミを入れられているのがその証拠。決して無視はされない魅力があるのだ。

城をさ迷う亡霊を捜すのは「亡霊が可哀相だから鎮めてやりたい」という彼の信念から来る行動。クレアが失踪した時の必死さも、可愛い姪への愛情から。

惜しむらくは、それが少し、いやかなりオカルト方面な事と、一生その性質が治らないということが確定している事である。

ちなみに友人はかの有名な成瀬公康氏(笑)。




 


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