暗石−双子−御陵−斑井 |
バイト先のペンションが火事で焼け、開いた予定を埋めようと立ち寄った山の中で迷子なり、雨の中をさ迷いながら山中に建てられた館を目指す、運の悪い主人公・一柳 和(いちやなぎ なごむ)。 何とか館に到着するも、入口を見付けるどころか死体を発見してしまう和。だがそこで何者かに殴られ気絶してしまう。館の中にいた人々に助けられ、再び死体を発見した現場に向かうが、死体は消えていた――。 館にいたのは8人の男女。全員が有名な脚本家「帽子屋」に呼ばれて集められた役者だという。彼らの好意で館に泊めてもらうことになった和。 だが硝子の割れる音と共に現れた『復讐』のメッセージと黒猫のオブジェ、パンクさせられた車。崖崩れで救助を待つ身となった者たちに次々と不穏な事態が襲い掛かる。 そしてついに、ある本を題材に装飾された、「見立て殺人」の犠牲者が生まれる。 消えた死体の行方、見えない最後の役者、役者たちを集めたのは本当に「帽子屋」だったのか―― 唯一部外者である和が、役者たちを護りつつ、様々な謎に挑む。 クローズドサークル・見立て殺人――1週間を過ぎたら、誰も逃れられない――。 (イチヤナギ ナゴム) 主人公。 泣き虫で怖がり、ヘタレなあげくにトロく運が悪い。殺人鬼が徘徊する館で、ボケッぷりを発揮して場を和ませ、同情して泣くことで犯人まで改心させる特殊能力の持ち主。 常に周囲から小動物扱いされ、男扱いすらされない21歳の最強メガネ。言動もある意味最強。 例1:「だってー!!」 例2:「〜だもん!」 ※泣きながらや困り顔で叫ぶ。 いじられることが多いわりに他人にツッコむことも多い。 意外に鋭い感性を持っているので、小さなことも見逃さない洞察力、そしてかなりのお人よしで命を狙われる者だけでなく、犯人までも救う、前代未聞の名探偵。 (ヒオリ) 和を「和(なご)さん」と呼ぶシリーズ通しての和の相棒役だが、推理AVGのはずの「雨格子」を違うジャンルに勘違いさせるような言動と行動を繰り広げる。 売れない役者だが着物を着ているのは衣装ではなく趣味の26歳。 和に対しては果てしなく過保護でむしろ見る者に怖さを感じさせるほど。 出会って二日目で和に「俺が守ります」とのたまい、殴られて気絶している和の服を自分の服に着替えさせ、食事まで作って和を餌付け、和の悲鳴を聞くと一秒で駆け付け、和に危険が迫るとマッハで和を抱えて脱出、それなのに和をからかって楽しんだりもする。相当歪んでいる。 そんな日織を見て、周囲の人間は「和は男だよ」と忠告するどころか「和の保護者」と認知しており、和も日織に危機感を抱くよりも逆に懐いている。謎だ。 日織の台詞は、こちらが赤面するほど恥ずかしい。 例1:「おいで、和さん」←死体を見て泣く和に 例2:「すいませんね、なんせ拾ったばかりなもんで」←和のこと 和が乙女体質(笑)な分日織はかなり男らしく、細身ではあるが古武術を体得しており、しかし物腰は柔らか。口調が江戸弁なのも趣味なのかは謎。 初対面の和になにかと世話を焼くのは、互いにじいちゃん子という共通点からシンパシーを感じたからかもしれないが、それでも「こいつ、まさか…」と思わせる。 日織の本名から、『館』において彼が重要な位置を閉める役割であることが発覚する。 (ツバキ) 日織同様役者。椿というのは本名ではなく役名。 犯人に命を狙われる執事だが、外見に反して中身は不良の18歳。椿という名前の執事を演じる間は和を「一柳さま」と呼ぶがすぐに呼び捨てするようになる。年上なのに。 他人のボケに激しくツッコむくせがあり、しかも自爆する。命の恩人である和をからかおうと「お兄ちゃん」と言った途端、自分がダメージを喰らったりもした。命拾いした朝の姿に鼻血を吹いた人は数知れず。 しかしやはり若いだけあって脆い部分もあり、自分が助かっても他の誰かが死んだりした場合、部屋に閉じこもって壊れた発言をするようになってしまったりもする。ある意味必見。 (ナス) 「雨格子」のみの役者。 椿の天敵…という自覚すらない天然。椿の激しいツッコミを意に介すことなく周囲が絶句する発言を繰り返す。そのボケッぷりは和を疲れさせ日織まで呆れ返る。椿に「脳まで筋肉」と言われるが実は頭は良いらしい。 事件の最中、果てしなく椿と漫才を繰り広げ、例え事件の犯人について話していても、どこかずれた意見を述べ、椿に「そこなのか!?お前が気になるのはそこだけなのか!?」と怒鳴られまくる。 だが人は良く、初対面の人間から見ても、「こいつは犯人じゃないな」と思わせる。事実犯人ではないが、作中においてかなりの重要人物。 館から生きて帰れるかどうかは、彼の生死にかかっていると言っても過言ではない。 (クライシ) やはり役名の役者。有名な大部屋俳優。 ヘビースモーカーでうわばみ、何事にも動じずに重い言葉を投げかけてくる存在感。最初の犠牲者がでた時に、真っ先に部屋に閉じこもってしまうが、それは恐怖からではなく、長い人生で得た経験故の冷静な判断から。 しかし和のことは信用しているようで、犯人探しに奔走する和に何かと推理の材料を与えてくれる。 それでも嫌がる和に怪談を無理矢理聞かせるあたり、相当良い性格をしている。 彼の信用を得て、犯行阻止の夜に彼の部屋に入れてもらえた場合、ある驚きの事実が判明する。 実は和は、10年以上昔から、暗石を知っていたのだった…。 (シズナ スズナ) 役者の双子美人姉妹。やはり役名。 姉の静奈は普段はぼんやりとしているが、役に入ると途端に天才ぶりを発揮する生まれながらの女優。かなりの推理マニアで、館で起きた殺人を「見立て」だと最初に見抜くほどの洞察力を有している。 しかし性格は難有りな方で、初対面の和に(選択肢によっては)歌を歌わせたり、恥ずかしい秘密を言わせたりと、和をいじりたおすことに喜びを感じている様子。 だがそれは愛情表現の一種であって、決して悪感情から来る嫌がらせではない。 それを向けられた者は複雑だが。 そんな静奈の妹の鈴奈は、静奈の愛(?)を一身に受けて育った、ある意味薄幸の美少女…のはずだが、作中のルートによっては、驚愕の事実が露呈する。 やはり静奈の血縁者だけあって、ただ者ではない。長年静奈の下で苦労してきたせいか、性格はしたたか。秘密を知った和に口止めを強要したり、椿と渡り合うことが出来る程のツッコミ属性。 それでも静奈に弱いのは、やはり愛情故? (ミササギ) やはり役名の女優。 和に限りなく近い属性を持つほんわか女性。落ち着いた物腰と世間知らずの言動で、生まれが高貴な家であることが窺える。 それでも常識は知っているので、那須の発言に額に汗することもしばしば。 館で起きる殺人に怯えるという、当たり前の反応をしてプレイヤーを安心させるが、やはり彼女も女優であることを忘れてはならない。 彼女の秘密を知ることが出来れば、Sランククリアも夢じゃない。 (マダライ) どうあっても殺される人。 生きている間はただのイヤミなオッサンなのだが、おまけシナリオで、和にしか見えない幽霊として出現した途端、恐るべき強烈なキャラクター性を発揮する。 哀れなのは和で、「幽霊がいる」と主張すればするほど可哀相な人扱い。斑井の奇行に悲鳴をあげれば椿に怒鳴られ、それによって泣くという悪循環。日織にまで「頭の打ち所が悪かったか」とまで言われる始末。 和の主張を信じてもらえたらもらえたで、斑井の独特の思考回路のせいで、犯人が解っても話が進まない。泣くしかない和の姿が笑いを誘う。 斑井の姿が見えないはずの椿が、次々と斑井の様子を言い当てる場面は必見。 殺人鬼が潜む館のはずが、一転して漫才の舞台に変化する。 |