螺旋戦隊

□バレンタインデー
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「ブラック〜」
「ブラックさーん」

「「チョコくーださいっ」」
「…は?」

「は、じゃありませんよ!ブラックさん、チョコレートです」
「今日は2月14日だよ〜?愛する人にチョコをプレゼントする日なんだから!」

きらきらと瞳を輝かせるホワイトとブルーに、ブラックは呆れた視線を返す。

「プレゼントするのは、女性からだろ?それなら、あんた達は渡す側なんじゃないのか?」
「ふっふっふ、甘いですね、ブラック」
「それは日本だけなんだよねぇ」
「海外では、男性からもプレゼントを贈るのが普通なんですよ」
「俺は日本人だし、ココは日本だから外国の普通は関係ない」
「そんな事言ってると、これからのグローバル社会を生き抜いていけないよ?」
「その前に、私達の中でも生き抜いていけませんよ?」

さらり、と恐ろしげな事を言った。
無害な顔して、実はとんでもなく有害な2人である。

「でも、用意してないものはないんだから、仕方ないだろ」
「まったまた〜!昨日、冷蔵庫に板チョコがあったじゃないですかぁ」
「あれで何か、作ってくれるんでしょう?」
「…そんなもの、俺は知らないぞ?」

「「…あれ?」」

「あー、そういう事かぁ」
「そういうコトでしたか…」
「何の話だ?」
「分からない人は良いんです」
「ブラックって、こういう話ホント駄目だよねぇ」
「あら、気付かない振りをしてるだけですよ」
「えー、そうなの?」
「???」


2月14日、バレンタインデー。
この日、夕飯のデザートがチョコレートフォンデュだった事に、一同が歓声を上げたのは、言うまでもないだろう。
そして、冷蔵庫の中身の真相は…まぁ、そういうコトである。

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