螺旋戦隊

□ホワイトデー
1ページ/1ページ

「レッドーォ!!」

どーん

「うわ、ブルー!?いきなりぶつかってきたら、危ないだろーが!」
「えへへ、そこはレッドの身体能力で何とか」
「なるもんと、ならねーもんがあるだろ!」

てへ、と舌を出す仕種が全く悪びれていなくて、レッドは思わず溜め息を零す。

「で、何か用か?」
「用がないと、ぶつかっちゃいけないの?」
「用がなくても、ぶつからないでくれた方が望ましいな」
「イエローとは、仲良くやってる?」
「…どうしてあの女が出てくるんだ?」

訝しげに目を細めるレッドの視線を真っ向から受けたブルーは、動じた素振りもなく、可愛らしく首をかしげる。

「お返し、何をするのかな〜って」
「仕返しじゃなくて、お返し?」
「1ヶ月前、イイコトあったでしょ?そのお礼を、これからしに行くんじゃないの?あ、もしかして、もう渡して来ちゃった?」
「どうしてそんな事、お前に言わなくちゃならないんだ」
「ふふ、先月イエローに何か貰ったことは、認めたね」
「……!」

完璧に、ブルーのペースである。

(やっぱ俺、コイツ苦手だ…)

「あ、レッド!こんなトコで何して…」
「やっほ〜!」
「げ、イエロー…」
「何だ、ブルーも一緒なのかい。仲のよろしいこったね」
「イエロー、これから予定ある?」
「うん?あぁ、ちょっとコイツと外に出るけど」
「あは、デートだ!お土産よろしく〜」
「で、でぇと?」

きょとん、とするイエローと頭を抱えるレッドを置いて、ブルーはスキップで廊下を去っていった。


3月14日、ホワイトデー。
この後、顔を真っ赤にして出掛けるイエローと、慌てて彼女の背を追うレッドの姿が目撃されたとか、されなかったとか。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ