小説

□秘密 5
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ホテルに帰っても、まだ夢を見ているようだった。

「カガリ!お風呂先に入るー?」
「あ、いや、後でいいよ」
「カガリ、寒いの?ストール羽織ってるけど」

ミリアリアやフレイの声が聞こえる。

でも意識は違うほうに向かっていた。



きらびやかな世界。
ラクスの打ち上げを仕切る人達に頭を下げられ…

「アスラン!」
腕に巻き付かれて…





「カガリてば!!」
「え?」
顔を上げれば、フレイが頬を膨らましていた。

「何よ!ぼーっとして」
「あ…ごめん、」
「着替えないで!あんた大丈夫?」
「あ…うん、大丈夫だ何?」


「だから!ずっとあの人のとこにいたんでしょ?」

ドキッと胸が高鳴った。


「え…」

「ラクスの替え玉とかよく見つけたよねー」
「本当、そっくり!」
二人はキャアキャアと盛り上がる。


そう…ラクスの替え玉…
あの人は多分、あの時の人だ…


「アスランさんから何か聞いた?」
「でも知らなかった。カガリって芸能界とか興味あったんだー」

二人でよかった。
答えなくても二人は私を無視して話続けてくれる。

知らない。
私はあの人を知らない。

世界にこの人しかいないのかもしれないと思ったのに。
ミリアリアやフレイが前より違って見えた。

彼女達が私のいない間に変わったのか…
みんな、私の知らないみんなになったのだろうか…


もしくは…

「カガリ、なんか変わった?」
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