小説
□Writting
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「あらあら、どうしましょう…」
なんと呑気で無責任な一言だろう…。
長年、彼女といて、わかっていたつもりでもさすがに脱力した。
怒りは出ない。
なぜなら…後が怖いから…
しかし、このままではいけない。
「ラクス、思い出してくれ!」
「何をです?」
「今日1日のことです!!最低でもこの1週間のことを思い出してください!!」
逆毛を立てた猫のようにまくしたてるのは、俺と同じ状態となってしまったイザークだった。
「私の予定は私よりあなた方のほうがよくご存知ですわ」
イザークの言い方に歌姫はちょっとムッとしたらしい。
「議長としてのスケジュールは把握していますが、地球に降りた時のプライベートはわかりませんよ。ラクス」
「まぁ、そうですわね」
納得してもらえたのか、ラクスは思い出すような仕草を見せた。
とりあえず、鍵を持っているのはラクス一人だ。
この状態は、放置や病院に行けば治るというものでもない。
アスランはあくまで冷静になろうと努めた。