小説

□秘密4
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「ここから出ないつもり?」
「そ、そうだ…」
「ふぅん、まぁ…別にいいけど。」


彼はくるっと向き、出て行った。


あまりのあっけなさに私は拍子抜けした。

とりあえず…ここからどう出るのか…


バスローブをギュッと握った。

みんな、今、どうしてるだろう…

みんなの顔を思い出すことができなかった。



また音がした。

何?

再び身構えた。

ガラスだけのバスルーム

割られたら…

鍵は閉めてるけど簡単に壊されるかも


よく考えれば、逃げれたわけじゃない。

ただまた逃げ場をなくしてしまっただけだ…


扉が開いた。


「な、何する気だ…?」
彼が近づくたび私は後ずさる。

「セックスだ」
そうあの顔で言った。

私の視界が曇った。
「な、何だ?!」

「叫びたかったら叫んだらいい。出来るならな。」
「何?!出せ!!私を帰せ!!」

ドン!とガラスを叩いた。

向こう側の気配が笑ってるが手にとるようにわかる。


「アスラぁン?」
猫なで声が聞こえた。

「え?!」
私は一歩下がった。

誰かいるのか?
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