X'mas

X'mas&Allen's birthday企画
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甘い甘い砂糖の匂い


ふんわり焼けたやわらかそうなスポンジ


ふわふわに泡立った生クリームをしぼって


真っ赤なイチゴをのせたら…








「完成!!」


「ウォーカー!!!」








いざ!と完成された美しいフォルムに銀のフォークを刺そうと試みた所で、ぴしゃり、彼によって生憎止められてしまった。


あと、あと数センチだったのに…


「何するんですか!」


「意地汚いですよ!ウォーカー!」



目の前にある見るからに美味しそうな作品を作ったケーキ職人、もといアレンの監査官は、まるで母親のように、自分の監視対象である子供を叱りつけた。



「だって…そこにケーキがあったから…」




「なんですか!そこに〇〇があるからみたいな言い回しは!

ジョージ・マ〇リーに謝りなさい!」



「ぶーぶー」



彼の小言もなんとやら
ブーイングを飛ばす。



だって普通お腹がすいている目の前に、
こんな美味しそうなケーキがあったら誰だって手を出したくなるじゃないか!

食べたいと思うじゃないか!



それを我慢しろとか、
意地汚いとか、


そんなの酷だ!
横暴だ!


だって知っているでしょう?
僕が寄生型で大食いだって事くらい!




「…そうやって目で訴えるのも止めなさい。

兎に角これはクリスマスの試作品なんです。
長官に見せるまで食べることは許しません!」



アレンの必死の訴えも虚しく、時に冷酷、いやいつもだったか…な監査官は彼女の目の前からケーキを没収してしまった。


「あーーー!!」


「五月蝿い!」



最後の非難の声すら無視されて、彼はスタスタと厨房出口へ向かっていく。

段々と遠ざかってしまうケーキに知らず知らずに視界が滲む。




「なっ、なにも泣くことはないでしょう?」

「へ?」


その時ふと振り向いた彼が驚いた声を上げた。

頬に手をやると熱い雫が指先にふれる。

途端にさっきまで食べ物に支配されていた脳は冷静さを取り戻す。

顔中の温度が上昇。



「あ、違い、違います!これはそんな…」



慌てて弁解する。


だって
ケーキが食べれないからって泣くなんて、
これじゃあ小さい子供みたいじゃないか!



「…そんなに食べたいのですか?」


半ばあきれ気味に言う彼に違うと言おうとした、その時。



ぐうううぅー



口よりも正直な彼女のお腹が盛大に鳴った。



「「…………………」」



その音を聞かれてしまえばもういくら言い訳したって無駄なわけで。

いまここで消えてしまいたい位に恥ずかしいわけで。
もう、顔を上げる事なんて出来ない。





「…バカですね。」



彼がまたあきれた声を出す。

そんな風に言わなくたって…



「言ったでしょう?

このケーキは試作品で、長官に見せなければいけないと…」







「コホン。…つまり、
長官に見せたらそのあとは好きにしていいと言うことです」




「!?」




思いがけない彼の言葉にアレンは顔を上げてしまった。

それってつまり…






「…だから…今すぐこれを見せてくるから、ここで待っていなさい」



「リンク!!」





「もしも我慢出来なければ適当に何か食べていなさい」




「な…待ってますよ//それ位子供じゃないんですから…」


からかうように言う彼に、彼女は頬を膨らませて拗ねる。










だって今僕が食べたいのは、あなたの手作りケーキだけなんだから
















ケーキ
×アレン




といえば?







ラビ「何この茶番…俺らが周りにいるのわかってんのかね」


神田「わかってねぇんじゃねえの?

…たく、たかがケーキ一つで………ぐおっ」



ラビ「おぉ……リナリーの愛の鉄槌が…」











という訳でアレン誕第一段はリンクとアレン。
CP意識しないで書いていたつもりなのにいつの間にかこんな甘々文に(笑)

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