セイナー伝戦記

□選ばれし者
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3話 3つの国



武道国の城
「あの・・・蓮さん・・・」
「蓮でいいですよ。彼方様。」
「あ・・・・・・じゃぁ・・・蓮。」
「なんですか?」
「僕・・・ここに来てばっかで、よくこの世界の事よく知らないんだ。だから、この世界の事知りたいんだけど・・・・」
「う〜ん・・・・・では、李譜じいの所へ行きましょう。」
「李譜じい?」
「武道国一の物知りの僧侶です。私が説明するより、李譜じいに聞いた方がわかりやすいです。」
「へぇ〜」
「では行きましょう。」
「うん!」



竜時寺
「李譜じいっ!いますか!?」
「おるぞ。」
寺の奥から声がした。彼方と蓮、ランリンは寺の奥へと入っていく。
寺の奥には、一人の老人の姿があった。
「こんにちは、李譜じい。」
「こ・・・こんにちは・・・」
「おっ!蓮か!元気にしておったか?・・・・・・・・・・・蓮。そちらの方は?」
「【選ばれし者】の波崎彼方様です。」
「おぉっ!彼方様っ!!お会いできて光栄です。」
彼方の手を握る老人。
「いや・・・そ・・・そんな大げさな・・・・」
「いやいや・・・・・生きながら、【選ばれし者】様にお会いできるなどとは・・・・そうあることではございません。おっと・・・申し遅れました。わしは、朱河李譜(しゅかわ りふ)。この竜時寺の住職をしながら僧侶をやっておる者です。皆からは、李譜じいと呼ばれております。よろしくお願いします。」
「よろしくお願いします。」
「よっ!李譜じい!!」
「おぉ・・・・ランリンか・・・元気であったか?」
「うんっ!もちろんっ!」
「で、何をしに?」
「この世界のことを、彼方様に教えていただきたい。」
「おお・・・そのことか・・よかろう。中へ入れ。」
「おじゃまします・・・」
部屋の中へ案内された。
「では、この世界のことじゃなぁ。
この世界には、3つの国がある。1つはこの武道国。剣士、忍者など武術を使う者達が集まった国。もう1つは魔道国。黒魔道士、白魔道士など魔道士が集まった国。そして幻獣界。幻獣を召喚する、召喚士たち住んでいる国じゃ。武道国の代表者は、王の富凪亜嵐様じゃ、魔道国の代表者は、クラヌ・リー・シューラー女王。幻獣界は椀・琥那美(わん・くなみ)王じゃ。
武道国と魔道国の間では、一万年前から戦争が起きている。幻獣界は、世界の平和を願い中立を保っている国じゃ。
しかし、平和を願っている幻獣界の者は、かなり強い力を持っている。
王と王妃はもちろん強い力を持っているが、それと同じぐらいの力を持つものがいる。
武魔道士。その位につく2人と、七属性士の7人。彼らはかなりの力を持っている。幻獣界はこの9人によって護られている。
まぁ、こんなもんじゃな。」
「ありがとうございます。でも、なんで武道国に李譜じいみたいな僧侶がいるんですか?」
「それは彼方様、回復するものがいないとこちらの国が不利になってしまうからですよ。それに、僧侶は魔法を使うのではありません。【気】を使うのです。」
蓮が説明する。
「なるほど・・・・・・あっ!あの蓮っ。」
「はい?」
「この武道国に、隆香っていう女の子いなかった?」
「隆香・・・様・・?いいえ、そのような情報は一切・・・・・・・」
「実はこの世界に来る時、幼馴染の隆香って子といっしょに光に飲み込まれたんだ。だからきっと隆香もこの世界にいるはずなんだ。」
「うぬ〜もしかしたら、魔道国や幻獣界いるかもしれませんな。」
李譜が言う。
「そうか〜」
はぁ〜とタメ息をつく彼方。
「お〜う!彼方っ!そんな悲しい表情しちゃだめぇ〜!!明るく明るくっ!!」
「ランリン・・・」
「私の友達、フィランは魔道国にいるのっ!」
「フィラン?」
「うん!」
「彼方様。そろそろ城へ・・・」
「うん。わかった。李譜じいっ!また来るから!!」
「お待ちしてますぞ。」
「では。」
「バ〜イ!李譜じい!!」
「さよなら〜」
3人(2人+1匹)は去って行った。
「彼方様。元気な方ですな・・・」
李譜は呟いた。



「【選ばれし者】を導くのをお前達にまかせる。」
「了解しました。」
「椀王。」
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