文章

□その関係を、家族というはずだ。
1ページ/1ページ





ざぁ、ざぁ、ざぁ、




「雨が降ってるね。」


「うム。そうだな。」




ざぁ、ざぁ、ざぁ、




「お父さん、大丈夫かな?傘もってないし。」


「あいつは大丈夫だろう。……いや、そういえば、あいつは昔ひどい風邪で入院したことがあったな。」


「え〜、なに、それ?聞きたい!」


「ああ、いいだろう。あれは……」





ざあ、ざあ、ざあ、



「……ねぇ、御剣さん。」


「……なんだろうか。」




ざあ、ざあ、ざあ、





「どれくらい、日本にいられるの?」


「ああ……そうだな。1ヶ月ぐらいだ。」


「そっか。」


「……どうしたのだ、急に。」





ざあ、ざあ、ざあ、






「また、お父さんが嬉しそうになるな、って。御剣さんがいない時、少し寂しそう。お父さんが嬉しいと、みぬきも嬉しい。」


「……そうか。」


「あとね、御剣さんも嬉しそう。みぬき、お父さんも御剣さんも大好き。だから、だから、」


「…………そうか。」






ざあ、ざあ、ざあ、





「……もう、帰るとしよう。」


「帰っちゃうの?」


「すまない、仕事が入っているのだ。」


「みぬき、お仕事が嫌い。やっと御剣さんが来てくれたのに、取っていっちゃう。」


「……みぬきクン。仕事はあまりないはずだ。だから、すぐ帰って来れるだろう。それに、一回家に帰って服を取ってくる。今日はみぬきクンの家に泊まらせてくれないだろうか。」


「ほんと?いいよ!お父さんにも言っておくね!ありがとう、みぬき、嬉しい!」


「そうか。みぬきクンが嬉しいと私も嬉しい。すぐ帰ってくるからな。……では、行ってくる。」


「いってらっしゃい!」



バタン。



ざあ、ざあ、ざあ、




ざあ、ざあ、ざあ、

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ