―song―

□盲目
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いつも見ているものは
いつの間にか飽きていた

そんなもんだ
人生は全部そうだ

生きる事で
新色が無くなった

胸元の開いたシャツは
よれて もう着れなくなっちゃって
ゴミ箱に捨ててみたら
あっけなく終わったんだ

歩きながら泣いたのは
じっとしてるのが
嫌だったんじゃなくて

風にあたりたい とか
そんな綺麗な理由なんてない


「ここに立っていることは
とても幸せなんだね」

無いようで有るものを
見つけ出すのは
空中に寝転ぶのと 同じ

真っ白なマグカップに
真っ白なミルクを入れたら
全てが1つみたい
影もふちも無くなった

大切だと思い込んで
大事に抱きしめたものは
とんでもなく臆病に
膨れ上がった アイデンティティ


そんなもんだ
人生は全部そうだ


生きる事で 新色が無くなった


胸元の開いたシャツは
よれて もう着れなくなっちゃって
ゴミ箱に捨ててみたら

あっけなく終わったんだ

煙草の匂いがした
繊細で嫌いな匂いがした

気がした





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