11/12の日記

22:54
唐突話(気の赴くままに)
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一年くらい前に、突発的に「あーもう気の赴くままにこんな終わり方でよくね?」とか血迷った話

今こんな終わり方にする気は全くありませんので!!
ただのネタです!
ホントくだらないことしててすみません…!








ピーンポーンと一人暮らし中のアパートのチャイムが鳴り響いた。
一人意味もなく「はいはい」と呟いて足を動かした直後…


ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピ…



「おいお前いい加減それを合図のように家に来るの止めやがれ!!!毎度毎度!」



とりあえず何の確認もなしに扉を勢いよく開けた。

いっそ扉にぶつかってまえ!!
とか思ったけど、相手はヒョイッと避けて悪戯っぽく笑ってた。



「わかりやすいだろ?」

「おう、わかりやすすぎるわ。つーか普通に来る前に連絡くれない?」



フサフサの銀髪。
身長はあった時からこの子のが高かったけど、今はもう完全に見上げなきゃいけない程成長しやがった。

それでもやっぱり、会った時の面影はそのまんまな、キルアは両手にいっぱいの荷物を抱えていた。



「いいじゃねぇか。そんなの今さらだし、どうせ暇だろ?」

「馬鹿言うな。お姉さん一応仕事もしてんだよ」



とりあえず中に通し、つけていたパソコンをスリープにしてからお茶とお茶菓子を取りにリビングに向かった。


昔から変わらず、私もキルアも甘い物が好きだからリビングにあるのは甘ったるいお菓子とお茶やジュースの割合が多い。

棚の端っこにあるコーヒーとかは、主にゴン、後たまに来る客人用に開封済みが一箱だけ。



「珍しいねぇ、キルアだけ来るなんて」

「ゴンは急な仕事だよ。聞いてねぇの?」

「いや、聞いてる。ゴンが仕事だって言うから、当然キルアも一緒に仕事だと思ったんだよ」

「そりゃそっか。あ、これゴンがお前に渡しとけって」

「お。ありがとう」



キルアが抱えてきた一番大きい紙袋はゴンからのお土産だったようで、かなり弾んだ声で受け取った。



「んで、これが俺から。こっちの袋はこの間仕事で会ったビスケからで、こっちは兄貴から。これはカコでこれはレオリオだな」

「ははは。大量だねぇ!ありがとう」



クラピカなんかもよく宅配便で海外の名物品とか服とかなんかが送ってくれる。
嬉しいけど、そんなに気ぃ遣ってくれなくていいのに。



「キルア、君結構頻繁に来るんだから一々お土産なんかいいよ?仕事の話とか聞かせてもらえれば十分だから」

「いいんだよ。好きで買って来てるんだから。後俺も食いたいし」

「悪いねぇ」



まぁ本当出来るならお土産なんて買って来てもらわないで、君らと一緒にハンターの仕事やってられれば良かったんだけどねぇ。

この子らに会った数年前は想像も出来なかった。
つかする気がなかった。


ハンターやってた頃はあんまり履こうとしなかったスカートで胡坐をかいた。

こいつはまた…みたいな呆れ顔をしていたキルアの目線が、足に残ったデカい傷跡に移ったことに気づいて、とりあえず笑っておいた。



「傷跡、薄くなったでしょ?」

「あぁ。もげなくてよかったな」

「ハハハっ!やめてよマジでなりかねなかったんだから!」

「確かに。もうなんの支障もねぇの?」

「ないない。普通に生活する分には全然問題ない」



数年前で会った時からこの子達の成長は半端なかった。

私が何年もかけてやっとこさ出来るようになったことを一年足らずでやってのけるこの子らと、私のレベルが離れていくのは当然のことで。

あんまハンターとしての仕事なんて数こなしてないけど、どれもこの子らのレベルに合わせて危なかった気がする。
うん、マジでマジで!!


いつだったか誰かに言われた通り、私は一人で逃げる分にはどうにでもなる程度の実力な訳で。
なのにそれ以上に事をしようとすれば、何度もまぐれで上手くいくことが続く訳もなく…えーと、何と言いますか……



二、三年前についにがっつりと足を怪我をしてしまいましたぁぁぁぁぁぁああ。



まぁ適切な処置と医者の腕によって、普通に生活する分には問題ない程度には治ったものの、やっぱりハンターとしてとか激しいことはマズイらしく。

その後すぐに旅を諦めて母国で一人暮らししてます。




「別に仕事とかしなくても怪我する前に稼いだ金で良い生活出来るだろ?足りないなら俺とゴンで生活費出してもいいんだぜ?」

「お前私に金使ってないで結婚でもして自分の家庭に金つぎ込めよ」

「うっせぇ」

「大体仕事してないとご近所さんに『あの人若いのに仕事もなにもしてないみたいよー』みたいな話されるんだよ」

「あぁ。お前がハンターやってて怪我したなんて、誰も信じなそうだもんな」

「暮らし始めたばっかりの時お隣さんに話したら苦笑いされました。全て実話なのに」

「ぶっはははははははは!!」

「笑いごとじゃねぇよ!?」



あぁ、全て実話さ!

だから数年たった今でもゴンとキルアは仕事がない時は、ここが我が家のように滞在してんだ。
旅が出来なくなった私の代わりに、皆があっちこっちのお土産を送ってくれるんだ。


変わったことは、ハンターやってた時よりその頃関わった人たちが頻繁に連絡をくれたり、ここを訪ねてくるようになったこと。
そして、ヒソカや旅団なんかのメンバーとは一切関係がなくなったこと。
特にヒソカにハンター辞めたって言った時のあの冷めた反応!!
今思い出しても超腹立つ!!!

まぁ、どっちに関しても有難いんだけどねぇ。


…有難いんだけど、実際旅してるときは「普通が一番」とか思ってたけど、今はホント、あの頃が懐かしい。



「キルア、コップ貸して。また入れてくる」

「おう、頼む」

「お茶でいい?」

「いや、コーラがいい」

「えぇ!先月キルアが買ってきたのしかないから、炭酸抜けてるよ!?」

「あれまだあったのかよ!?」

「飲むなら近くのコンビニで買ってくるけど?」

「あー…いやいいや。とりあえずなんかジュース頂戴ジュース」

「オッケー」



自分とキルアのコップを持って、もう一度リビングに向かった。


ゴンとキルアは、かなり頻繁にここに来る。
たまに「ただいま」って言って入ってくるくらい、頻繁に。
だから二人用のコップとか、歯ブラシとか、布団とか、着替えだって何着もここに置きっぱなし。
結構広いアパートだから、何室かあるうちの一室ずつは二人の部屋と化している。

私も何か買う時は無意識に三人分買うし、この家にあるものは大抵三人分だ。


でも当然なことながら、私の指にはまっている指輪は、相手のと合わせて二つ。
だからというわけではないけど、ずっと三人一緒にってのは、多分無理なんだろう。




「やっぱり旅してたかったなぁ」



ジュースをついだコップをキルアの前に置きながら呟くと、キルアが苦笑いした。



「どうしたんだよ、急に。お前がそんなこと言うなんて珍しいじゃん」

「日々ごろごろして筋力が落ちていくたびに思ってるけどねぇ」

「お前馬鹿。そりゃ自業自得だ!腕立て伏せでもしてろよ」

「柔軟で精一杯。なんであの頃あんな走ってられたんだろ。マジ信じらんねぇ」

「それでも弱い部類だったけどな」

「それ掘り返すなよ…」



まぁ、ホントに弱い部類だったねぇ。
そのくせ君らのレベルについて行こうとするからこういうことになるんだけどさ。

元々NGL行ったあたりからレベルの違いに限界は感じてたんだけどねぇ。


けどな、今も一緒に旅してたら、変に気遣ってもらったり、誰かと恋愛感情持ったりとかしないで、この子らと旅してられたんだろうなぁって思ったら、言わずにはいられなかった。



「あ、ゴンからメール」

「なんだって?」

「仕事明後日には終わるから、五日後くらいに来るって」

「んじゃ鍋にしようぜ鍋!」

「キムチ鍋食べたい」

「ぜってーヤダ」

「はは。ちなみに今日は何食べたい?」

「肉じゃが」

「え、肉ないんだけど。買いに行かないと」

「んじゃさっさと行こうぜ」



当たり前のようにキルアも立ち上がって、玄関に向かった。


なぁ、君らに言ったら笑うだろうし、自分でも女々しくて笑えるけど。
けどな、君らがここを出ていくたびに、思うんだ。

そのうち絶対、合鍵あるくせにやたらとピンポンピンポンってしつこく鳴らして君らがここに帰ってくることはなくなるんだろうなって。


これは、絶対。



「おい、早く行こうぜ」

「あーあ…。昔の細い生足と尻が懐かしい」

「よーし歯食いしばれ」

「やめてやめて!お姉さんの防御力今紙並み!!」



絶対。
言い切れるんだ。

多分私は、一週間そこらで君たちがいないそれに慣れる。
すぐに当たり前になって、一か月もすれば気にもしなくなる。
その後の生活も旅をしていた時みたいに、それなりに楽しめると思う。

これも、絶対。



それでも今の私は、この子達がいないことを普通としたくないと思うんだ。

これは、ただの笑い話。
実際その時が来たら全く気にしなくなるくせに、今はそれを認めたくないという



矛盾した…笑い話。



☆コメント☆
[ミユ] 11-12 23:37 削除
はじめまして!ミユと言います。
狩人夢読まさせていただいてます!
唐突話も今さっき読みました!とっても面白かったです!
応援しています。これからも頑張ってください!

[管理人] 11-14 23:26 削除
初めまして!
こんな自己満足以外のなんでもない唐突話にまで目を通して下さってありがとうござます!
亀並み更新ですが精一杯頑張ります!
コメントありがとうございました!

[ツバサ] 12-24 21:30 削除
今更ながら読みました!
なんか「ありえるな」って感じでしたね(笑)
旅を続けてほしいって気持ちもありますけど、原作見てるとこんな終わり方しそうだなって!
でもでも! ヒソカや旅団との接点がなくなるのはちょっと寂しいですね〜(^^;)

大好きなお話ですから、これからもっと読み続けたいって気持ちが大きいです。
無理をなさらずやっていって下さい。
次回を楽しみにしています!

[クレイ] 08-03 11:48 削除
2015年の書き込みです、
本編の続きを強く望んでおります!だけど叶わないのかな、と思いながらこの話を読みました
すっきりした反面とても切なかったです泣

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