CP

□淋しがり屋
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「次元ちゃん、大丈夫?」


「こんぐらい何ともないさ」



次元が仕事中に負傷したのは一昨日のこと。

飛び降りた先に運悪く石なんかあっちゃって。

石のせいでバランスを崩した次元が、これまた運悪く膝をついた先に石なんかあった。



手当てとルパンの手厚いだか迷惑だかよくわからない気配りで、

少しは痛みが引いたであろう次元を置いて、ルパンは今日も盗みに出る。



「前のお前だったら石なんて軽々避けてたのにね」



次元のベッドサイドにバーボンとグラスと灰皿を置いて、ルパンがベッドから腰を浮かす。



「もう歳なんじゃないの?」



…捨て台詞を吐いて。



「うるせー」



そっぽを向いた次元に苦笑して、ルパンがドアの取っ手に手をかけた。



「おい、ルパン」



呼ばれて振り向けば、手を招く手負いのガンマン。



「なによ」



素直に近寄ったら、ネクタイを引っ張られて次元の堅い唇がルパンのそれに押し付けられた。



「行ってらっしゃいのキス…なんてな」


「…淋しがり屋はどっちだよ」



驚きと喜びで頬を染めるルパンを放って



「違うな。俺はお前さんより少しばかり情が濃いだけさ」



またも、次元はそっぽを向いた。







ほんとに歳かもしれない。





ルパンが去った後、ウィスキーの入ったグラスを傾けながら、次元はほんのり考えた。





…ま、面と向かって“淋しい”なんて絶対言ってやらないけどな。



end

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