□思いは風に乗って
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グリューネさんが消えてしまってから、またもとの生活に戻った。いつも通りにただ淡々と依頼をこなす、そんな日々に。。。
ただ一つ違うのは――

「ジェー坊ー!!」


そう、あの人が、大切な人がいること。
紅い髪で健康的な褐色の肌の青年―モーゼスが大きく手を振りながら僕がいる場所に向かって来る。

ねぇ、モーゼスさん。―あなたがいたから
―あなたが支えてくれたから、
―あなたが大切な仲間だと言ってくれたから、
僕はここに居られるんですよ。

「ありがとう」

小さな言葉は風に掻き消されてしまったが、思いは流されていく。そう、どこまでもどこまでも…

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