Harry Potter
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それから、今日の授業を全て終えて、セブルスたちは寮に戻っていた。
《ふふ、セブルス、あの四人の…特に眼鏡のあの顔!リリーに声かけても素通りされてたし、日頃の行いを改める必要性を思い知ったでしょうねえ♪》
談話室で本を読むセブルスの横で、今日一日の"天罰"を思い返すナナシ。
満更でもないセブルスは本に隠しながら緩む頬を禁じえないでいた。
《そうそう。眼鏡たち寮を抜け出していたから、フィルチに居場所を教えてあげたのよ♪明日からトロフィー磨きだそうだよ♪》
セブルスはページをめくりながらも、ニヤリと笑う。
「天罰か何だかよく解らない事もしている様だが…やつらの自業自得というものだな」
端から見れば独り言にも聞こえるそれに笑みをこぼしたナナシだった。
《よく解らないとは聞き捨てならないなあ…まあしかし、セブルスが笑ってくれて私は嬉しいよ》
「っ!?」
《私が思うに、セブルスは整った顔をしているし、優秀だし、(リリーには)優しい。そんなセブルスが楽しげに笑っていたら恋愛成就もそう難しくはないと思うんだよ》
驚いたかと思えば、ばつが悪そうに顔を隠すセブルスに、ナナシは恋愛の神様である私がいるんだ。大船に乗ったつもりでいなさいな♪そう言って笑いかけるもセブルスは顔を出さなかった。
《あ、赤い》
「煩いっ!」
覗き込んだナナシを手で追い払いながらセブルスは部屋へ向かった。
《ふふ、逃げられたなあ…》
少し強く閉まった扉の音を聞きながら、ナナシは穏やかな笑みを浮かべて姿を消した。
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