その他

□裏切り
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私は貴方を殺したくなどないのに

「分かっているはずですよね?首領に、灰狼衆に背くようなことがあれば私は分刀として貴方を裁かなければならないということを」

殺したくない。
生きていてほしい。
自分のすぐ傍で笑っていてほしい。
それは、叶わないことなのか。

「悪ぃな。雷光。」

何でそんな風に笑える。
そんなに宵風のことが大切なの?
自分が死んでもいいと思えるぐらい?
そんなの私は許さない。

「何で…そんなに宵風君のために出きるんですか」

「俺は、保護者だからな。もうすぐ死ぬと分かっているから余計に生きている時間を大切にしてやりたいんだ。」

「でも!!!」

それは貴方が自分を犠牲にする理由にはならないじゃないか。
首領を灰狼衆を…私を裏切らないで…

「俺は…行かねぇといけない。お前らも、一緒に来るか?」

はい、と言ってしまうかと思った。
出来ることならついていきたかった。
でも私には俄雨がいる。
彼を危険なことに巻き込みたくはない。

「行けません…。私は、分刀です。裏切り者を裁くための存在。だから雪見先輩についていってはいけないんです…!!!」

「そうか。ならお前らと殺り合わなきゃいけねぇんだな…。」

嫌だ。そんなの、嫌だ。
殺したくないのに。
一緒にいたいのに!!!

「そうですね、さぁ覚悟してくださいよ。雪見先輩。」

私は、何かを間違えてしまったのだろうか?
神の怒りに触れるようなことをしてしまったのだろうか?
だとしても、愛する人と道を違えなくてはならないなんて、神はなんて無情なんだ。






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