その他

□七夕
1ページ/1ページ


7月7日。
学校から帰ってみると、ナナリーと咲世子が何やら紙を笹に吊していた。

「あ、おかえりなさいお兄様」

「ナナリーそれは?」

ナナリーは紙を吊しながら答える。
楽しそうだ。

「短冊。これに願い事を書いて笹に吊したら叶うんですって。そうだ、お兄様は何か願い事は?」

「そうだな…」

願い。
一枚に書くにはたくさんありすぎる。
差別がなくなりますように。
平和が訪れますように。
優しい世界になりますように。

全てを守る力がつきますように…

「ははっ、どれもすぐには叶いそうにないな。」

「そうですか…それなら私は、お兄様の願いが叶いますように。」

「じゃあ俺は、ナナリーの願いが叶いますように。」

「フフッ叶うと良いですね。」

「そうだな。」


今はまだ叶わなくても、いつか自分の手で叶えてみせる。

ナナリーに優しい世界を見せるために。






[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ