その他
□七夕
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7月7日。
学校から帰ってみると、ナナリーと咲世子が何やら紙を笹に吊していた。
「あ、おかえりなさいお兄様」
「ナナリーそれは?」
ナナリーは紙を吊しながら答える。
楽しそうだ。
「短冊。これに願い事を書いて笹に吊したら叶うんですって。そうだ、お兄様は何か願い事は?」
「そうだな…」
願い。
一枚に書くにはたくさんありすぎる。
差別がなくなりますように。
平和が訪れますように。
優しい世界になりますように。
全てを守る力がつきますように…
「ははっ、どれもすぐには叶いそうにないな。」
「そうですか…それなら私は、お兄様の願いが叶いますように。」
「じゃあ俺は、ナナリーの願いが叶いますように。」
「フフッ叶うと良いですね。」
「そうだな。」
今はまだ叶わなくても、いつか自分の手で叶えてみせる。
ナナリーに優しい世界を見せるために。