・+sket dance+・

□バツゲームは甘いキス
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「あーーーーーーーーーーーーーーー〜…………よし、今何秒だった!?」





[14秒だ。]





「また14秒かよ。…あーもう駄目だ暇ー。暇過ぎて死ぬー。」





[ゲームでもやるか?]





「おっ、いいね!何やる?」





今日はヒメコが学校を休んだ。





暇なのはいつも変わらないが、"部室に2人きり"というのはそうある事じゃない。





何かといえば3人で口喧嘩したり取っ組み合いしたりで騒がしくしてるうちに時間が過ぎていたのだが。





時間の流れというのはこんなにもゆっくりだっただろうか。





トランプは飽きてきたしなぁ…と、ガサゴソとテレビ下の小タンスをあさっているツノ付き帽子の後ろ姿を見る。





何故なんだろうか。





俺はいつからか、男であるあいつの事を友達としての「好き」とは違う方の「好き」という感情を抱く様になってしまっていた。





もちろん俺も男なわけで。





前まではちゃんと女子に恋はしていたわけで。





毎日毎日悩んでいたというのに、今日ときたらヒメコは休み。





「スイッチー、オセロでいいかー?」





[…あぁ。]





本当にどうしてなんだろうか。





こいつは、俺の事をどう思っているのだろう。





ただの友達?いや、せめて親友であってほしい…。





でも、それ以上の関係になんてどう頑張ったってなれっこ無いわけだ。





いくらお人好しのこいつだって、男に告白されたら拒絶するだろう。





だったら俺はこのままの関係を保っていたい。





下手に行動してこの関係が壊れてしまったら俺はこいつと言葉も交せなくなってしまうかもしれない。





そんなの御免だ、と一人で頭の中だけで話をつけて、テーブルにお互い向き合うようにして座った。





「スイッチ黒ね。」





[何故だ。]





「髪の毛黒いから。」





[ボッスンも黒いだろう。]





「俺はあれだよ、心が白いから白なんだよ。」





[なんだその理由は。]





「うっしっしw」





ニカッと笑う幼い顔に、自然と頬が弛む。





やっぱり、愛しい奴だ。





抱き締めたい衝動を必死で堪えながら、4枚のオセロを中心に並べていく。





並べ終わったところで、ずっと黙ってたボッスンが口を開いた。





「なぁ、スイッチ。」





[何だ?]





「…バツゲーム有りにしねぇ?」





[ほぉ、それは面白い。受けてたつぞ。]





「じゃあさ、負けた方は…」





俺はボッスンの口から出た"バツゲーム"に、耳を疑った。






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