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□Can Look
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「どうされましたか?早く傷の手当を」
立ち止まった政宗を振り返り見る。
「小十郎。ありがとな」
「は、はい?」
突然の言葉に、小十郎は驚きを隠せない。
素っ頓狂な声をあげてしまった。
「置いてくぞ。小十郎」
先程まで隣にいた政宗が、いつの間にか遥か先いる。
『俺の眼には、小十郎、お前が見えてるぜ』
今日は驚かされてばかりだ。
今の言葉も先程の言葉にも。
政宗様。私の目には、あなた様が見えております。
あなた様が天下をお取りになるその日まで、私はその大きな背中を映し続けましょう。
あなた様の右目として。
「お待ちください。政宗様」
それぞれの想いが交差し、絡み合う戦国時代。
独眼流、伊達政宗が北より天下を見下ろすのはいつの日か。
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