その他版権

□Can Look
8ページ/9ページ

「どうされましたか?早く傷の手当を」

立ち止まった政宗を振り返り見る。

「小十郎。ありがとな」

「は、はい?」

突然の言葉に、小十郎は驚きを隠せない。

素っ頓狂な声をあげてしまった。

「置いてくぞ。小十郎」

先程まで隣にいた政宗が、いつの間にか遥か先いる。


『俺の眼には、小十郎、お前が見えてるぜ』

今日は驚かされてばかりだ。

今の言葉も先程の言葉にも。

政宗様。私の目には、あなた様が見えております。

あなた様が天下をお取りになるその日まで、私はその大きな背中を映し続けましょう。

あなた様の右目として。

「お待ちください。政宗様」


それぞれの想いが交差し、絡み合う戦国時代。

独眼流、伊達政宗が北より天下を見下ろすのはいつの日か。


あとがき→
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ