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□Can Look
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「甲斐の武田は眠る猛虎。北条のじじいは、今のところ動きなし。軍神も息を潜めてるやがる」
頬杖をつきながら、政宗は盛大に溜息を吐き出した。
「どうかなさいましたか?」
傍に控えていた片倉小十郎は、そっと問い掛ける。
すると、舌打ちをしながら鋭い目で睨まれた。
「どいつもこいつも、せっかくのPartyだってのに動こうとしねぇ」
「今や織田軍が優先になりつつあります故、皆様子見といったところですな」
正論を述べたところで彼の機嫌は直らない。
眉間に皺を寄せながら、「暇でしかたねぇ」とまた溜息を漏らした。
「お気持ちお察しします」
小十郎はそう言葉をかけるが、本当はこの状態に安心していた。
感謝とも言うべきか。
戦続きだった伊達軍にも、つかの間の平和が訪れたのだ。
だが、それは本当につかの間だった。