小説T
□しあわせ
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「綱吉。さっきから僕の顔ばかり見てるけど飽きない訳?」
「飽きませんよ。」
「・・・・そう。」
綱吉が飽きないのならいいのだけどもう1時間もじっと見つめられれば、こっちだって気になる。
「そうだ綱吉、紅茶でも飲むかい?おいしい紅茶があるんだけど。」
綱吉の視線に痺れを切らして声をかける。
「いえ、いいです。俺のど渇いてませんから。」
「そ、そうかい?」
浮いた腰を元に戻して、書類の方に目を向ける。でも自然に目は書類から綱吉のほうに向いてしまう。
目が合うと綱吉はにっこりと笑顔で返してくれる。
さっきはこの視線が気になってしょうがなかったのに今はとても心地よい。
この幸せな時間がずっと続けばいいのになんて思っている自分がいることに気づいて急に顔があつくなった。
こんな顔を綱吉に見せる訳にはいかないと雲雀は綱吉の頬に手をあて、優しく唇を重ねた。