ぱら・ぱろ

□曼珠沙華・始
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生まれてすぐに捨てられた。




銀色の髪と、深紅の瞳を気味悪がられて、山の中に、雨の日に。
そこそこいい家柄だった為に、世間体の為だろう。異業の姿を持った俺には誰も情けをかけ無かった。




しかし、一人だけ。俺を捨てなかった女の人がいた。




こっそりと、一度山に放置されていた俺を小さな山小屋に連れて行った。

その人は毎日、日に3回。世話をしにきた。


村の人や、俺の家の者にばれたらきっと罰せられていただろうが、それでも毎日、来てくれていた。




















その人が来なくなったのは、それから5年程たった頃だ。


















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