ONE PIECE/左
□愛しいアナタに鮮明な愛を
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「……!つ…めてぇ………」
「おら、どうしたよ?解きゃァいいだろうが。あ?」
「ゾロ………」
プライドがそうさせるのか。
酒の力で脱力しきった身体に鞭打つように、ルフィは起き上がる。荒い息を吐きつつ浴室の壁に凭れ掛かり、ゾロを睨みつけたまま件の『戒め』を解きにかかった。
「お前っ!!結び目……かてぇゾっ!!」
「ったりめェだ。早々解けねェように、ガッチリいっといたからなァ」
実は、それ程固く結んでいるわけではない。一所を摘んで引けば、すぐさま戒めは解ける。ただ、先刻のゾロの執拗な愛撫に未だ震えるルフィの指先には、容易ではないらしい。
余りに不用意に、今にも弾けそうな自身に触れてしまい、ルフィは小さく声を上げる。
と、さも憎々しげに、ゾロを睨みつけた。
「………お前な、そーゆーのを………変態っつーんじゃ、ねェのか?」
「ハッ!───上等だ」
ニヤリと笑いつつ、ゾロはルフィににじり寄った。
「うわっ!来んな!!マジでもう触ンなっ!!!」
「安心しろ、ルフィ。もう触れねェ。ただ───」
「ただ?」
「入れるだけだ」
「いっっ………………!!!??」
叫ぶなり、ルフィは這いつくばってゾロから逃れようとする。
その様を見て、思わず吹出した。
───そりゃてめェ、ヤってくれっつってるようなもんだぜ?
なんなくルフィの腰を抱きすくめ、力なく暴れる両肩を床に押し付けた。
そのまま、尻を高く挙げさせる。
「!!つめてぇっ!!!う〜〜〜つめてぇっつってんだろっ!?ゾロっ!!!」
「───じき暖まる」
たちこめる湯気の中において、いやに白く浮かび上がるルフィの双丘に、頬を摺り寄せる。そのまま手をあて押し開くと、覗く最奥に舌を這わせる。
「う…あぁ………」
ゆっくりと舌を突き入れつつ、先刻より視界に入れていたナミのボディローションを掴んだ。
───後でドヤされんなァ…。確実によう。
苦笑しつつ、舌を収めて、震えるルフィの後腔にたっぷりと滴らせる。
「んんっ!!くっそぅ………」
跳ねるルフィの腰に、煽られてたまらない。
己の手の平にも大量にローションをとると、先走りを滴らせる自身に擦りつけた。
「ぁあ………ハ…ァ………ルフィ、入れん
ぞ…」
「ヤ!メロ………も、頭…悪くなり、そうだ……」
「そりゃ……元々じゃねェかよ?」
「もっと、だ……」
「ならよう……一緒にバカんなろうぜ、ルフィ───」
「ゾロっ!!!うあっ!ゾッ…………!!!」
一気に、腰を進めた。
ひゅうと喉を鳴らし、ルフィの頭が反る。
───あぁ………ルフィ……。
「くっ………はっあ……てめェん中、すげェ…ぜ?ル、フィ…」
思わず、達しそうになった。
ずっと待ち望んでいたルフィの中なのだ。無理もないと言えば、無理もない。
詰めた息を吐き、それでも精一杯虚勢を張りつつ、軋むルフィの中を探る。
「うわっ……ゾロっ!…ヤメ……ロっ………ソコは、ヤメっ……んんっ!あ……」
確実に、ルフィの箇所を突いてやる。
「絡んで………きやがる………」
「う…る、せぇ………あ!ゾ……ロ……ゾロぉ……」
「あぁ………そうだ……もっと、呼べ…」
耐え切れぬというように、ルフィが床を殴る。間段なく上げられる嬌声に、抑えようにもゾロのそれは疼く。
覆い被さるようにルフィの腰を抱き、背骨に沿って舌を這わせた。
そのまま、一気に抱え上げる。
「うあっ……あ、あ、あ、………」
再び、バスタブに腰かけた。自分の全体重をかけてゾロを収めた形になったルフィは、瞬間言葉をなくす。顎を震わせ、ひゅうひゅうと喉を鳴らす。
「ルフィ………はっ…ルフィ…」
揺らぐルフィの頭を抱え込み、だらしなく開かれた唇を覆う。舌を差込み、思う様むさぼった。そのゾロの舌に、快楽を追うようにルフィの舌が絡まる。
無意識なのか、先刻まで垂れ下がっていたルフィの左腕が、ゾロの後頭部を掴む。誘うように、髪をまさぐられた。
普段なら甘い疼きを己の内に呼び起こすそのルフィの仕種も、今は強烈な刺激でしかない。
圧迫される自身に、再び熱が集中した。
湯気で霞む筈の浴室が、やけにクリアに見える。
水蒸気の一粒一粒までも、視界に捉えているような錯覚に陥る。
と、尚もルフィの唇を吸い続ける己が唇に、汗や水蒸気とは違う何かが、滴った。
目を上げる。
ギリギリまで追い詰められる苦痛からなのか、それとも生理的なものなのかは、わからない。
ぎゅうと瞑ったルフィの目尻から、涙が滴っていた。
誘われるように、その涙に舌を這わす。
甘ェ───、そう思った。
その刺激に、ルフィが目を開く。
揺れるその瞳に、己が映る。
あろうことか、ルフィはしししっと笑った。
心臓が跳ねる。
クリアだ。
何もかもが、クリアだ。
「う………ゾ、ロ……マジ、で………も、……イきてぇ………な、なんとか、しろ……っ!!」
「了───解」
言うなり、ルフィの腰骨で遊ばせていた左手を、震えるルフィの中心に絡ませる。同時に、さらに深く穿った。
先端を弄りつつ擦りあげ、がくがくと揺さぶる。
「はっ!!!あぁっ!……ゾロ!ゾロっ!!!………イかせろっ!!くそっ!……イっ………」
「……ぁあ…ル、フィ………オラ、よ………てめェの、勝ち、だ───」
ルフィの頭を抱え込み、震えるその頬に己の頬を摺り寄せる。
ただただ荒い息を吐き続けるルフィの『音』を、耳に木霊させる。
途端、ゾロはルフィの内に、己の精を叩きつけた。
ゆっくりと、ルフィの戒めを解きながら。
朦朧とする意識の中で、叫びにも似たルフィの嬌声を、聞いた気がした。