駄文
□異界陶酔。
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かごめが俺の世界から消えて、暫く経った。
表面上を取り繕ってかつての仲間と軽い言葉を交わす術も何とか会得した。
こうやって自分を騙して生きていく事も真剣に考えながら、無味乾燥な日々を過ごした。
少なくとも、大丈夫だと思った。
自分の弱さを素直に明かすなんて事出来やしないから、内に留める。
このまま、行けると思ってたんだ。
かごめがいなくても。
俺の世界からかごめが消え失せても。
この世界からかごめの香りが無くなっても。
浅はかな俺は、そう信じた。
嘘だ。
無理だ。
やっぱり無理だ。
俺は其の侭深い眠りに就いた。
遠のく意識に身を任せ。
夢を求めた。
逃げた。