駄文

□限界挑戦破天荒少年。
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 あたしの彼氏は、正直言って体力馬鹿です。

 そして如何しようも無い位に無鉄砲で、それでいてなんだかんだでとても強いです。

 そんな彼が…犬夜叉が、あたしはとっても大好きです。



 けど。



 たった一つ、困った事があります。

 それは。





「もぅ…犬夜叉!ちゃんと安静にしてなさいって言ってるでしょ!あんた大怪我してるのよ!?」

 庵に響くのは少女の怒号。

「るっせぇなぁ…大丈夫だって言ってんだろ!?お前らみてぇな人間と一緒にすんな!」
「なんですって!?そんな事言って…さっきまで死にそうな顔してたのは何処の誰よ!」
「あっ…あれはちょっと、その…なんだ…。」
「ほら見なさい!だから寝てなさいって言ってるの!」



 事の発端は数刻前の戦闘から始まる。いつもの通り妖怪退治を頼まれた犬夜叉一行は早速目当ての妖怪と対峙する事となった。

 普段ならば簡単に終えられそうな雑魚妖怪だったのだが、かごめがふとした拍子に躓いて転んでしまった。

 そのかごめを咄嗟に庇って犬夜叉は妖怪からの攻撃を受けたのだ。



 その事をかごめはとても申し訳なく思っていた。だからこそ犬夜叉には安静にして貰って、早くこの怪我を治して欲しいと思っていたのだ。



 それなのに。



「いいじゃねぇか!こんなもん怪我の内にも入らねぇっつの!」
「駄目駄目駄目ー!!」



 先刻突然犬夜叉が発した言葉。



「かごめとヤッたら直る。」



 言われた瞬間、かごめは相手が重症を負っている事も忘れて最大級の「おすわり」を連発した。

「なななななっ…何言ってるのよ馬鹿馬鹿ぁ!」
「何って…ナニだろ。」
「ふざけないで!」
「ふざけてなんかねぇよ…最近弥勒や七宝達の所為で随分ご無沙汰だったじゃねぇか。…いいだろ?」
「絶対駄目!!」
「んっでだよぉ!」
「だっ…、駄目に決まってるでしょ!?あんた怪我してるのよ?そ、それにそんなっ…。」

 口篭るかごめの言葉を犬夜叉が遮る。

「そんなって…、別にいいだろ?俺にしては随分我慢した!」
「ちょ、我慢したとかそういう問題じゃないの!」
「じゃぁなんの問題だよ。」
「う…。」



 …と、そんなこんなで今の会話に至るという訳だった。



 一歩も譲らない犬夜叉と、おされ気味のかごめ。いつもならこの辺でかごめが妥協してしまい、犬夜叉だけがご満悦と言う訳なのだが。

 今日だけはそうは行かない。

 何しろ相手は重症を負っているのだ。少女にしてみれば自分の所為で負わせてしまった怪我を自分との行為で広げてしまう事はなんとしてでも避けたい。

 しかし、このままでは犬夜叉の事だ、すぐに臍を曲げて拗ねてしまうだろう。
 一度拗ねてしまったら、この少年の機嫌を取る事が如何に難しいかはかごめ自身が一番よく知っている。



「如何すれば良いのよぉ…。」



 思わず泣き言を吐いてしまった。
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