駄文

□異界陶酔。
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 壊してやりたいと、そう思っていた。





 壊れてしまえば良いと、そう願っていた。





 俺からかごめを奪ったこの糞みたいな世界も、俺からかごめを奪った残酷な一瞬も、俺からかごめを奪った歪んだ時の流れも、そして何より。





 みすみすかごめと繋がる唯一の手を放してしまった、無様で愚かな俺自身を。





 酷く、世界は醜い。





 残酷な事に、俺を取り囲むこの世界は壊れはしなかった。
 それどころか、かごめがいなくなってから時が経つに連れ、この世界は元の落ち着いた静けさと賑やかな喧騒を取り戻した。



 俺を一人、残したまま。



 俺は、取り残された。



 皮肉な事だが、あれ程憎んだ俺を取り囲む世界は微塵も壊れる様子を見せなかった。

 寧ろ時増す度に壊れていくのは、俺自身。





 世界が正常に時を刻み、朝を迎え昼を迎え夜を迎える。



 終わる事の無い無限の様にも思われる気の遠くなる様な永久運動。





 俺は、その刻みに逆らおうとただ足掻く。





 無駄だとは、解ってはいた。





 逆らって、一体どうする?

 逆らえば、そうすればあの日あの時あの瞬間俺の過ちを正す事が出来るのか?



 …違うだろう?
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