駄文
□然。
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きっと、お前は此処に居るべき人間じゃなかった。
きっと、そうなんだろう。
だから、井戸と四魂の魂は俺とお前を最後の最後に引き離した。
生きるべき時が、違った。
そんな気がする。
強く思うだけでは、どうにもならない。
俺は、俺の生きるべき道を。
お前は、お前の生きるべき道を。
然るべき時代に、其々置かれて。
それでも未練がましく井戸に通い詰める自分が、俺は大嫌いだ。
現実を眼の前にして尚、それを寛大に受け入れる素振りをして、それでいて実は受け入れられない、受け入れられる訳がない自分が、俺は可哀想だ。
こんな状況でも、何時かまた逢える日が来ると信じて疑わない自分が、俺は馬鹿だと思う。
信じるだけ、夢見るだけ、期待するだけ無駄なんだと知っていながら、解っていながらそれなのに諦め切れない自分を、俺は殺めてしまいたくなる。
生きるべき時の中で踠き生きていくのが、辛い。
けれど、こんな俺を「愛してる」と言ってくれたお前を俺は「愛してる」から。
だから、こんな余りに不甲斐無い馬鹿な俺でも、俺は頑張ってお前が愛してくれた「俺」を愛せる様になるよ。
何時か再び出会えた時、胸を張ってお前に「愛してる」と言える様に。
そこまで考えて、俺は一つ欠伸をしてから、うとうととまどろむ。