駄文
□限界挑戦破天荒少年。
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別に、妖怪に受けた傷なんてそんなに酷い物ではない。
確かに激しく動き回れば多少は傷は開くだろうが、そんな物は大した事では無かった。
寧ろ、この傷を自分の所為だと落ち込み項垂れるかごめを見ている方が余程己の身には堪える。
今日だって、期待していたのに。
…今更「駄目」なんて言われても、この溜まった情欲は留まる所を知りはしない。
知らないからこそ、昂ぶる事はあっても治まる事等絶対に無い。
駄目で元々、かごめに持ち掛けてみたものの返って来た返事はまぁ予想通りの答え。
でも、こんな事で凹んで溜まるかよ。
簡単に手に入らないからこそ、奪う楽しみが増えるんだ!…と、なんとか己の心を統制して保つ。
期待外れの言葉なんかに負けてはいられない。
頑張りすぎた為に傷が開いてかごめの身体を己の血で汚す事以外に心配な事なんて無い。
元よりこの身などかごめの為にあると思っている。当然、何時だってかごめの為に身体を張る覚悟位出来ている。
だから、かごめだって俺に少し位夢を見せてくれたっていいと思うんだよな?
かごめが俺との行為を今は避ける意味も、本当は俺の身体を心配しての事だと解ってはいる。
頭では、解っている。
けれど。
俺はそれでもかごめと一緒に居たい。
傷が開こうと、血が滲もうと。
かごめと一緒に居たいんだ。
かごめの親切と俺の欲望はいつも正反対の道を行く。それが正しくとも、間違っていようとも。
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