駄文
□引き寄せる、抱き締める。
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丁度その頃、一部始終を少し離れた所から見ていた弥勒と珊瑚は呆れて絶句していた。
「かごめちゃん…連れてかれちゃったねぇ…。」
「まぁ犬夜叉の奴も溜まってたんでしょうねぇ。」
眼を丸くして言う珊瑚に、弥勒は爽やかな顔でさらりと下世話な発言をする。
「あぁ、かごめちゃんの抱き付きで全部理性が崩れ去ったとか?」
答える珊瑚も弥勒からの影響か、さらりととんでもない事を口にする。
「そういう事です。…かごめ様もあれで随分と鈍いですからねぇ…。」
「…そうだね。」
反論する気も無い。
と言うか、あの少女は本当に天然と言うかなんと言うか、ある意味犬夜叉よりも遥かに鈍い事がある。
「これじゃぁ、暫く帰って来そうにないな。」
はぁ、と浅いため息をついた珊瑚に対し、弥勒が言う。
「まぁ良いじゃないですか珊瑚。我々もその間…。」
言いかけた弥勒の台詞を遮るのは、まるで般若の様な珊瑚の微笑み。
「その間、何?法師様。」
「あー…いえ、何も!!」
びくぅと背筋を伸ばして姿勢を正し、珊瑚の腰辺りに伸ばし掛けた手を引っ込める。
「はあ…。」
かごめちゃん、早く帰って…これる訳、無いよね。
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