駄文

□酔い醒め。
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…********…



「んしょっ…と。」



 かごめは重いリュックを下ろし、木の根元にピクニック用のビニールシートを敷く。



「はい、出来たよー!!」
「おう。」



 二人でビニールシートの上に座り、静かな一時を過ごす。

 そして、喉が渇いている事を思い出した犬夜叉が何気なく手に持っていた缶の中身を一気に飲み干す。



「んっ…?」
「?犬夜叉?」
「これ…なんだっ…!?」
「え?…だから、リンゴジュースでしょ?」
「喉がっ…あ、熱ぃっ…。」



 如何にもな表情で顔を赤らめている犬夜叉を見て、かごめは頓興な声を上げる。



「えぇー!?ちょ、ちょっと犬夜叉その缶見せて!!」



 何処となく惚けた表情の犬夜叉から、既に空となっている缶をぱっとひったくる。

 そして、缶の裏の成分表のすぐ傍に、とても小さかったけれど確かに見つけたその悪魔の様な言葉を、かごめは呆然としながら呟く。



「これはっ…お、お酒…です…!?」



 反射的にかごめは犬夜叉の方を振り向く。



「犬夜叉!!す、すぐ吐いっ…。」



「吐いて」と、無茶な頼みを言おうと振り向いた、その瞬間。



「かっごめぇ!!」
「ひゃ!!」



 顔を真っ赤にして、上機嫌そうな犬夜叉がかごめを突然押し倒す。



「かごめぇv」
「ちょ、ちょっと犬夜叉っ…!?」



 突然の展開に、かごめはわたわたと慌てる。…が、犬夜叉本人はそんな物意に介さずにかごめの胸元に顔を埋め、すりすりと頬擦りを始める。



「や、やだ!!ちょっ…。」
「ん、かごめ…柔らけぇなv」
「犬夜叉!!っも、もう…止めてよ!」
「うるせえ!!」
「はーなーしーてー!」



 明らかに、酔っている。

 誰の目から見てもきっと明らかだ。

 でも、今はそんな事を考えている場合では無い。



「ね、犬夜叉、ちょっと離れ…。」
「嫌だっつってんだろ!これは俺の物だ!」



 言葉を遮られ、反対にとんでもない言葉を言われる。



 "これは誰の物でも無く私のだってば!!"


 …と言いたいのをぐっと堪えて、少しでも優しく声を掛ける。



「あの…ね、恥ずかしいからせめて胸に顔を埋めるのは止めて…?」



 言ってる言葉が恥ずかしい事は十も百も承知だが、普段と全く違う犬夜叉の奇天烈な行動の方が数百倍恥ずかしい。

 しかし、犬夜叉はかごめの気持ちを汲み取る事もしない。



「んーvかごめぇv」
「もう!人の話聞いてよ!!」



 すりすりと頬を摺り寄せる犬夜叉の、この上無く幸せそうな顔。



「ばかぁっ…!もう、犬夜叉なんて知らない!!」



 強く突き飛ばしてやろうかと考えたのだが。



「かっごめぇ!」
「きゃあぁぁあ!!」



 逆に、押し倒される。

 犬夜叉の重みと温かさがかごめの肌にじかに伝わってくる。



「ちょ、いぬや…。」
「んー…?」
「ひゃん!!」



 犬夜叉の手が、かごめの胸に触れる。そして、やわやわと揉み始める。



「ちょ、やだやだ!!やめてっ…あぅ!」
「かごめ、気持ち良いのか?」
「ちがっ…!!ちょっと、もう本当に止めてよっ…!」
「…かごめ、嫌…なのか…?」
「そ、そりゃあ……って、い、犬夜叉…?」



 突然、犬夜叉の眼が寂しそうにかごめを見つめる。



「…嫌か?」



 それはさながら、路頭に打ち捨てられてそぼ降る雨にずぶ濡れになった一匹の迷い犬。



 こんな眼で見るのは、反則だ。



「い、嫌…じゃ、ないけど…。」



 思わず口走ってしまったかごめのその言葉を聞いた瞬間、犬夜叉の眼が突如煌めく。



「そうか!!」
「ふわ!!」



 犬夜叉はにぱっ、と笑って、かごめを抱き締める。



「だよな!だって俺、かごめの事凄ぇ大好きだもんな!!」
「!?」



 そう言う事はシラフの時に言って欲しいんですが。



 しかし、そんな事を考えている間にも犬夜叉の暴走は加速して行く。



「だから…かごめの感じる所も、俺はすぐ解るんだぜ?」
「は!?ちょっ…や、やん!」



 言うなり、犬夜叉はかごめの胸に手を置いたまま、かごめの首筋に鼻を埋める。



「やんっ…。」
「かごめ…良い匂いだv」
「やめてってたらぁ!」



 ふんふんと鼻を鳴らし、かごめの耳元で低い声を響かせる。

 低い癖に良く通る声で、甘い言葉を。

 そして、かごめの耳をぺろり、と一舐めする。



「ふゃあ!!」
「…ほら、感じるだろ?」
「も、もうっ…か、感じてるとか言わないで!」
「此処とか。」



 かごめの制服の裾から手を伸ばし、じかに胸に触る。



「ひゃ!!」
「やっぱ柔らけぇv」
「や、やめ!!」



 言っている間にも、犬夜叉の指がかごめの胸の敏感な部分に絶え間無く触れる。



「んっ…!」
「此処、イイだろ?」
「やっ…。」



 犬夜叉は、すでにぴんと張り詰めている突起をくりくりと弄り回す。



「ひゃあんっ…!あ、あん…。」
「かごめ、凄ぇ可愛い…。」
「ば、ばかぁ…。」
「キモチイイだろ…?」
「そ、そんなっ…あぅ!」



 突然こんな事になってしまった事に対して、頭が上手く回らない。

 なのに。

 …如何して?



 如何して、こんなに…。





 …気持ち良いの?





…********…
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