□君の考え
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少し前からそうじゃないかとは思っていた、色々あったとは言え相手は先輩。
知らないフリをしていたのは俺だけど、もうこれは決定的じゃないだろうか。




―君の考え




「昨日の夜から考えてんだけどよ、翔陽の花形って藤真のスタンドじゃね?」

昼休み、たまたま出向いた屋上にはミッチーが居た。
お互い毎日行くわけじゃないから会うのはたまに。
会う度に少しずつ話す様になって体育館の時の蟠りみたいな感情はもう無い。
だからこそこうして話すわけだけど、ミッチーのする話はだいたい何かずれてる。
今日もそう。

「どーしたの、いきなり」
「いや、よく一緒にいるしよ。何より、雰囲気?」

スタンド能力は何だよとか、どのタイミングで使うんだとそんなツッコミはあえてしない。
しても無駄な事は知ってるし、何より今更だ。
このその時読んでる漫画が分る現象は今に始まった事じゃなくて、これまでにも何度もあった。
今ならレーガン打てる気がする!と言って立てた人差し指の先を見て集中してみたり、柱を折って投げてその上に飛び乗って移動したいと言い出したり。
他にも、たまたま三年教室前の廊下を通った時は、多分掃除当番の最中だって言うのに箒を持ってアバンストラッシュと叫んでいた。
良く言えば無邪気。
遅くても中学生のうちに卒業出来そうな行動を取るんだから、きっと無邪気。
前向きに考えて無邪気。
そう信じてきた。
そんな光景を見る度に次は何をするんだろうとか、セクシーコマンドーには手を出さないでくれると良いけどとか色々先を想像してきた。
だけど、だけど…流石にスタンド扱いは無いよなぁ。
自分の事じゃないとは言え少し同情。

「うん、ミッチーがそう思うならそれで良いんじゃない?」

あぁ、この人はアホなんだ。





カッコ良い三井は都市伝説と主張する会

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