□拍手ログ
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「越野越野ー!アイス買ってかない?」

仙道のうちでゲームでもしようなんて盛り上がって、二人で仙道の家へと向う。
去年までならもう季節は秋になろうと言う頃だと言うのに、今年に限って暑さはまだ続いていた。
制服のシャツが体に張り付く気がして気持ち悪い。
そんな中での提案に、嫌だと思うはずもなく俺は賛成し二人でコンビニに立ち寄る。
すぐにクーラーボックスへ向かう俺とは違い、仙道が向ったのは普通のお菓子類を置いたコーナー。
後を追うでもなくそのままアイスを選んでると、何を買ったのかコンビニ袋を腕からぶら下げた仙道がさぁ行こうかと言い出した。

「どうせ食べるならいっぱい食べたいよね」

そう言って取り出したチューペット。
冷凍庫で冷やして固めてポキンと折って食べるアレ。
それじゃあ冷えるまで食えねーだろうがと言うと、今更の様にそっかなんて言葉が帰ってきた。
掴まれた手を振りほどいて、クーラーボックスの中から取り出した一つのアイス。
仙道の言葉を無視して買って、さっさとコンビニから出る。
買ったのは60円くらいの二つに分けられるソーダ味のアイス。
それを二つに分けて、ほんの僅かに小さい方を仙道に突き出すと有難うなんて言って笑ってアイツは受け取った。

「ったく、チューペットじゃすぐ食えねーだろ。俺の気持ちはもうアイスが食いたいって気持ちでいっぱいなんだよ」
「うん、ごめん。でもさ……ポッキンアイスでしょ、これ」
「いや、チューペット」
「ポッキンアイス」

珍しく退こうとしない仙道と俺のこれの名称についての言い合いは仙道の家に着くまで続き、チューペットも勿論後からしっかり食べた。
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