お宝小説部屋

□落榎さんより[伸遼/3000打キリリク]
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[伸遼/3000打キリリク]













君の微笑みは僕の心を満たし

君の温もりは僕の心をとかす



でも、君の炎は時に強く影を落とす

暗く、深く




その闇は、僕の奥深く

深く





刻み込まれていくんだ














「」


君が笑いながら僕に話しかける

僕も笑顔で君に言葉を返す


視線は逸らさない
逸らせる筈がない

あの笑顔をずっと見ていたくて…やっと手に入れたんだ



でも、


「…どうした?具合でも悪いのか?」


物思いに耽り、黙り込んだ僕を心配した彼が僕を覗き込む


「…ごめん。なんでもないよ」


優しい彼の心がひどく嬉しくて、その肩をそっと抱き寄せる


「遼、大好きだよ」


耳元で囁けば、その耳はみるみるうちに真っ赤に染まる

その赤い耳にくちづけて、軽く歯を立てれば…彼の体はぴくりと揺れ、僅かに乱れた息遣いが聞こえ…











僕の名を呼ぶ唇、声が


僕を闇に誘う


ほら、気づいてるだろ?


君の首筋にそえられた僕の手に、ゆっくりと力が加わるのを






違う


こんな事したくない


君の笑顔に、声に包まれていたいのに






僕の愛が

いつかきっと

君を












君が薄く目を開けた


僕の手はもう君の首筋に食い込んで


君の目にはうっすらと涙が滲んで




それなのに











「いいよ…伸」






そんなに優しく


言わないで



ユビニ

チカラガ

ハイル











――オレ ヲ オマエ ダケ ノ モノ ニ シテ――










堕ちていたのは…








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