過去拍手御礼部屋

□始まり
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―――なあ、俺と付き合わないか?


「……意味が解らんが」


お前が好きなんだよ。


「………私は男だ」


関係無いね。一目惚れ、ってヤツ?


「当麻。貴様、斬られたいのか」


本気なのに。


「信じられるか。馬鹿者が」


じゃあ、どうすれば信じてくれるんだ?


「…………」


光輪の征士。
お前には、真実を見抜く力が有るんだろう?
なら、分からないか―――?





そう俺が言ったら、征士は珍しく目を逸らした。
いつも人を真っ直ぐに見つめる瞳は、困惑した色を浮かべて揺れていた。


『と、とにかく、二度とそういうふざけた事は言うな!』


そう言って、征士は踵を返した。

ふざけてなんていないのに。
という俺の呟きは、聞こえたかどうかは分からないけれど。

俺はいたって大真面目だ。
初めて会った時から、征士に心を奪われた。
凜としたその姿に。
何時も真っ直ぐなその心に。

時折見せる笑顔は、何時もの冷たそうな雰囲気とは一転してとても可愛い、と思う。

他人にこんなにも心惹かれるのは、初めてだった。

時が経つにつれその想いは強くなるばかりで、ことあるごとに俺は征士に“好きだ”と告げた。

まあ、その度に征士の反応は最初と同じ様な感じなのだが。

しかし、意外と脈ありなのかもしれない。
本当に嫌なら、征士はきっとあの鋭い視線で俺を射抜いていると思う。

“好きだ”と言うと、目を逸らせる征士。
その瞳は返答に困っているだけで、俺自身を嫌がっている訳ではなさそうに見えた。

いつか、答えてくれるだろうか。
あの綺麗な瞳で俺を見て、俺の望む答えをくれるだろうか。


それまでは―――


「征士っ!好きだ!」


「所構わず抱きつくなっ!馬鹿当麻っっ!!



-END-


《あとがき》

当征本編の更に前の話な感じです。

どうやら、当麻は辺り憚らず征士に「好き好き」言ってたらしいです

なので、多分他のトルーパーメンバーにはこの時点で公認CPだったと思われます(笑)

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